Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

angle

2018-07-26 00:10:00 | コラム
人気のコスプレイヤー、火将ロシエル(かしょう・ろしえる…トップ画像)の水着撮影会を取材してきた。

あぁかわいい、ひたすらかわいい。

そりゃあ人気出るよなぁ、、、と。

彼女にかぎらず、コスプレイヤーやアイドルなどの撮影会にはルールがあって・・・

最も特徴的なのは、「局部を狙う」「極端に下から狙ったアングル」の撮影は禁止―と、赤の太文字で記されているところだろう。

盗撮みたいな感じにするわけにはいかないものね、みんなルールを守って楽しいヒトトキを過ごしましょうってわけだ。


こうした撮影会ではNGであろうアングルはしかし、映画の場合は有効となる。

奇をてらえばいいってわけでもないが、映画の色や空気にバシッとあえば、忘れ難いシーンになることだってある。


そんなわけできょうは、映画ファンのあいだではよく知られている「抜群なアングル」が登場する映画の10傑を展開してみよう。


(1)『豚と軍艦』(61)

吉村実子が犯されるシーン。

天井からベッドを捉えていたカメラが、ぐるぐる回り始める。

(2)『家族ゲーム』(83)

横一列に並んだ食事風景を捉える。



アングル的に変わっているわけではないが、被写体の構図が変わっているためにヘンテコな映像に見える。

(3)『ミラーズ・クロッシング』(90)

マフィアのボスを殺そうとする男たち、とくに彼らが階段を上るときのショットが超クール。

(4)『鳥』(63)

いわゆる、神の視点。



(5)『東京物語』(53)

ローアングルを徹底した小津映画。

小津にとって神様は「寝転んでヒトを眺める」存在であったから、こういうアングルを貫いた―ともいわれている。

(6)『マッドマックス』(79)

カメラをボンネットに据えることで、アクションの臨場感が増した。

(7)『刺青一代』(65)

透明のガラスを用意し、殺陣のシーンを下から捉えた。

(8)『シャイニング』(80)

ステディカムと呼ばれるショット。



(9)『キャリー』(76)

二分割やストップモーション、流麗なカメラワークに意表をついたアングル。

デ・パルマの映画には、驚きがいっぱい。

(10)『羅生門』(50)

ぎらぎらした太陽を捉えた、宮川一夫のショット。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(255)』
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20年引きずっているんだから、マザコンなんだと思うよ。

2018-07-25 02:48:26 | コラム
きょうは、かーちゃんの命日。

あれから20年が経過したなんて信じられないし、



20年経っても「精神構造」が変わらぬ自分に愕然とする。


そして、20年前のあの日のことを夢に見るということは、未だ引きずっているところがあるってことで、それはつまりマザコンなんだろうな、、、と思う。

それがどーした?

と、開き直れるくらいには、自分は世間体を気にしなくなったのでした。


合掌。

かーちゃん、今年の7月25日も暑くなりそうです・・・。


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明日のコラムは・・・

『angle』
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執念って、格好いい ~追悼・橋本忍~

2018-07-24 08:59:38 | コラム
頭の中に映像の順番がビシッと決まっていて、流れに敏感。

「うまく書こうと思うなよ。正確に書くんだ」

とよく言われた。

(脚本家・中島丈博)

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常に、リズミカルな文章を創るよう心がけている。

「てにをは」的に間違っていようが、リズムを最優先させる。

難しいことばを使いたくもなるけれど、それでリズムが壊れるときだってある、ならば平易なことばを並べたほうがいい。

リズム、とにもかくにもリズムなんだ。


映像表現も、同じだと思う。

映画のリズムを決めるのは、脚本と編集。
だから自分は映画監督ではなく、脚本家か編集マンになろうと高校生のときに決めた。


荒井晴彦、新藤兼人、野島伸司、桂千穂。

自分が、脚本について教わったことのあるプロ。

自作を読んでもらい、たくさんのアドバイスをいただいた。

荒井晴彦には「けちょんけちょん」にされ、野島伸司には鼻で笑われた。
それを知らないはずの新藤兼人には「なぜか」励まされたりしたが、いちばんに読んでほしかったのは橋本忍だった。

会う機会が、なかったわけではない。
ないが、勇気が出なかった。

「この程度の脚本を読んでもらうわけにはいかないよな、じゃあ次の作品で…」みたいなことを繰り返し、やがて会う機会を失っていった。


会ってみたいが、会うのが怖い。
ほとんど神、、、のような存在だったから。

デビュー作が黒澤の『羅生門』(50)なんだもの、映画のことを「分かったふりをしているだけ、のガキ」であることなんて一瞬で見透かされてしまうにちがいない。

52年、『生きる』の脚本を担当。
3人による共同作品だが、驚きの展開が用意されている後半のアイデアは(たぶん)橋本によるものだろう。

『七人の侍』(54)や『張り込み』(58)もそうだが、ストーリーテラーとしてとにかく我慢強い。

ためてためてためて、さんざん焦らしたあとに、ようやく真実が明かされる―すぐにオチをいいたくなってしまう自分なんかは、このあたりでもう脚本家失格っぽい。

その個性が最も発揮されたのは、おそらく『砂の器』(74)だと思う。

松本清張の原作は60年に発表され、橋本はその直後に映画化を決意。
山田洋次と何度も脚本を練り直し、原作ではわずか数行に過ぎぬ遍路の描写を数十分に及ぶクライマックスに配置する。


すぐにオチをいいたくなってしまう浅はかな人間では、この構成には辿り着かなかったと思う。




しかし脚本は完成したものの、ハンセン氏病をテーマとする暗い内容に大手スタジオは尻込みをし、なかなか映画化を実現出来ないでいた。

映画が完成したころには、10年が経過していたのである。

執念、執念だなぁ。


正直、物語的にどうなんだ? と思うところだってある。

新聞コラム『紙吹雪の女』(=島田陽子)のくだりとか、あまりにも創り込み過ぎているし。

けれども映画的迫力を前に、そんなことはどうだってよくなるのだった。


『悪い奴ほどよく眠る』(60)や『切腹』(62)、



『白い巨塔』(66)、『日本のいちばん長い日』(67)など、ノンクレジットで観たとしても「橋本忍が関わってそう」と思わせるものばかり。

 
『サンデーモーニング』(TBS)で訃報が流れたとき、ある識者が「大学のとき、映画制作のサークルに入っていた。脚本の参考にと橋本さんのホンを読み込んだが、あまりの緻密さに感嘆し、結果、自分の才能の限界を思い知らされることになった」と発していて、あぁ同じように絶望した映画小僧は日本中に居るにちがいない、、、と思った。


本来であれば、大往生であるし、天才に対し悪口のひとつでもいってやりたい。

そうすることで他者の追悼文との差別化を図ってきたのだが、このひとに対する悪いところが思い浮かばない。


我慢強さと執念、表現するものにとって大事なふたつのものを宿した橋本忍は、自分にとって、いろんな意味で、遠い遠い存在であったなぁ、、、と感じるだけなのであった―。


脚本家・橋本忍、7月19日死去。

享年100歳、合掌。

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偏頭痛って、なにさ?

2018-07-23 00:10:00 | コラム
経験したことがないから、そのつらさが分からないもの3つ。

(1)便秘

これは当然だが・・・
(2)生理痛

そして、
(3)偏頭痛


いや、頭痛くらいはあるよ。

頭痛くなったことがないなんて、バカみたいじゃない?

まぁバカだからそれもあり得る話だが、
そういうことではなく、偏頭痛の「偏」がピンとこないので、どういう状態が偏頭痛なのか判断出来ないのだった。

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頭の片側だけに限られて起こる発作的な激しい頭痛。

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分かるようで、その実、ぜんっぜん分からない。


昔のアルバイト先で、2日にいちどくらい偏頭痛に襲われる若い男の子が居た。

彼ははっきりと、「あぁ、また偏頭痛が…」と発して頭を押さえている。

しんどそうだから「どういう症状なの?」とは聞けず、「少し休んだら」と返してばっかりいた。


結局、偏頭痛が分からないまま一生を終えるのかもしれない。

それは幸福なこと、なのだろうけれど、なんか身体的に鈍感っぽくてイヤだなぁ。


身体だけでなく、お前の存在そのものが鈍感じゃないかって?


うるせーよ。
早く人間になりたい、44歳生ゴミ野郎なのでした―。


※トップ画像は、『オトナ女子』さんから拝借

※※頭、、、から連想してトーキングヘッズのナンバーを。

このPV、ジョン・グッドマンが出てきてびっくり。



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映画監督別10傑(22)北野武

2018-07-22 00:10:00 | コラム
~北野武のキャリア10傑~

フライデー襲撃にバイク事故、
お笑いの急先鋒でありながら、俳優やってみたら(上手とはいえないけれど)雰囲気抜群で本職の俳優さんを喰ってしまう。

これだけでお腹いっぱいなのに、映画を撮る才能にも恵まれている。

好き嫌いは置いておいて、90年代以降の日本映画を語るうえで無視するわけにはいかない存在。


「フェリーニやりたい」と迷走した時期もあったけれど、軌道修正して現在は職業監督に。

そのクオリティはまちがいなく「中の上」、しかし監督として巧くなったぶん、初期のころに見られた「あたらしい映画の衝撃」は薄まってしまったのも事実か―と評したくなるのは、映画監督デビューがあまりにもセンセーションだったから、、、なのだった。


(1)『3-4X10月』(90)

映画館でアルバイトをしていた高校時代に公開、支配人に「たけしの映画をかけましょうよ」とリクエストするも「馬鹿、あんなの入るわけがない。桑田佳祐の映画をかけるぞ」と返され、反発の意味をこめて当日欠勤をした想い出あり笑

実際に当たらなかったが、職業監督であればまちがいなく撮れなかったであろうこの映画を、武自身が超えられないのではないか・・・と思うほど「すんごい作品」に仕上がっている。




(2)『ソナチネ』(93)

公開初日にも関わらず、ガラガラの映画館で観た。

けれども、幸福だった。

あたらしい映画を発見する喜びに満ちていた。

(3)『キッズ・リターン』(96)

バイク事故からの、リハビリのための映画。

俳優として顔を出さないところ、かえって新鮮だったなぁ。



(4)『座頭市』(2003)

娯楽作という意味では、キャリアのなかでいちばんの出来。

映画は、このくらい自由な発想で撮られていいと思う。




(5)『HANA-BI』(98)

ベネチア効果か、連日満員だった。

監督デビュー作からすべての作品を初日に観ているものとしては、とっても感慨深かった。

武流の死生観や日本論が、最も分かり易い形で表現されており、入門篇として最適なテキストだと思う。

(6)『アウトレイジ』(2010)

21世紀版の『仁義なき戦い』。

俳優さんたちが活き活きしていて、あぁみんな、こういうことをやりたかったんだなぁ、、、とニンマリ。

(7)『あの夏、いちばん静かな海。』(91)

サイレント風実験映画の佳作。

真木蔵人、俳優としてもっと大成してもいいよねぇ。



(8)『その男、凶暴につき』(89)

衝撃の監督デビュー作。

深作監督バージョンも観てみたかった気もするが、こんなにダークにはならなかっただろうね。

(9)『アウトレイジ ビヨンド』(2012)

インパクトは前作には及ばないものの、続編としては成功していると思う。



(10)『アキレスと亀』(2008)

正気と狂気のあいだをいくアーティストを描き、ゲージツの本質に迫ろうとしている。

もっと突き抜けてしまったほうが、面白かったのにな~。

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『偏頭痛って、なにさ?』
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