Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

年末年始特別企画(6)2010年代映画のベストテン:外国映画篇 10年・11年

2019-12-26 00:10:00 | コラム
「その年」を象徴する10年代の映画作品、本日からは外国映画篇です。
まずは、10年・11年度からセレクト。

【2010年】

『息もできない』
監督:ヤン・イクチュン 出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン

前後を考えずに行動するヤクザと、勝気な女子高生の出会い―とだけ書くと70年代の日本産インディーズっぽいが、個人的にはこの作品で、韓国映画への警戒を強くした。

それ以前から―00年代から韓国産は好調だったものの、現代日本が創るべきものまで向こうで制作され始めたような気がして、近年その思いは益々強くなるいっぽうなのだった。

※実際は2008年制作。日本における劇場公開が2010年だったため、敢えて選出。



【2011年】

『ブラック・スワン』
監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス

『レオン』の影響が強く、いくつになっても何を演じても「ロリータ」臭がするナタリー・ポートマンが、おとなの女優になるために企画された怪作。
という認識は日本でも強いとは思うが、注目すべきはアロノフスキー得意のホラー演出だったりする。

コケおどしスレスレをいく場面の連続は、この世ってイヤなことしかないのかもしれない…なんていう風に思わせるほどの意地の悪さで最高。



…………………………………………

明日のコラムは・・・

『年末年始特別企画(7)2010年代映画のベストテン:外国映画篇 12年・13年』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末年始特別企画(5)2010年代映画のベストテン:日本映画篇 18年・19年

2019-12-25 03:19:42 | コラム
「その年」を象徴する10年代の映画作品、本日は18年・19年度からセレクト。


【2018年】

『カメラを止めるな!』
監督:上田慎一郎 出演:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、秋山ゆずき

映画と、映画制作への愛が詰まった佳作。

上田監督にはほんとうに期待しているので、皮肉でもなんでもなく、これ1作で終わることがないように! と、本気で願ってます。




【2019年】

『チワワちゃん』
監督:二宮健 原作:岡崎京子 出演:門脇麦、成田凌、寛一郎、玉城ティナ、吉田志織

「岡崎漫画」の映画化で、内容的に最も成功した―と断言してもいいんじゃないだろうか。

いわゆる「パリピ」たちの刹那的な日常は、背景は変われど、90年代でも00年代でも10年代でも変わらないという結論が面白かった。
つまりヒトって、進歩することのない愛すべきロクデナシなんだよね。



…………………………………………

明日のコラムは・・・

『年末年始特別企画(6)2010年代映画のベストテン:外国映画篇 10年・11年』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末年始特別企画(4)2010年代映画のベストテン:日本映画篇 16年・17年

2019-12-24 00:10:00 | コラム
「その年」を象徴する10年代の映画作品、本日は16年・17年度からセレクト。


【2016年】

『シン・ゴジラ』
監督:庵野秀明、樋口真嗣 出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ



鬼才アンノがオリジナルに敬意を表しつつ、きっちり「3.11後の」現代日本を見据えた怪獣映画、、、というよりパニック映画の快作。

ただ、外国でウケなかった理由も「なんとなく」分かるし、また、確実に、これ以降のシリーズ制作は難しくなっただろう笑

【2017年】

『彼女の人生は間違いじゃない』
監督:廣木隆一 出演:瀧内公美、光石研、高良健吾、柄本時生



「3.11の以前と以後」とでは、生きかたがまるで変わってしまったヒロイン。
現代日本の問題点を浮き彫りにしつつ、それでも彼女の生きかたを全肯定してみせたのは、福島出身の廣木監督なのだった。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『年末年始特別企画(5)2010年代映画のベストテン:日本映画篇 18年・19年』
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末年始特別企画(3)2010年代映画のベストテン:日本映画篇 14年・15年

2019-12-23 00:10:00 | コラム
「その年」を象徴する10年代の映画作品、本日は14年・15年度からセレクト。


【2014年】

『愛の渦』
監督:三浦大輔 出演:池松壮亮、門脇麦、滝藤賢一、中村映里子、新井浩文

三浦大輔のオリジナル戯曲を自らが映画化、
セックス目的で集った男女の人間模様をユーモラスに綴り、最後には奇妙な感動まで味わえる。

ハダカにならなきゃ分からないことがある―それを体現する演者は全員が素晴らしいが、特筆すべきは、やはり麦ちゃんの「ふつうっぽさ」だと思う。




【2015年】

『野火』
監督:塚本晋也 原作:大岡昇平 出演:塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也



『プライベート・ライアン』の規模を10分の1「以下」にしたような小品だが、戦場の悲惨さ無情さを描くのにスケールの大きさは関係ない。

一部で聞かれた「デジタル撮影における安っぽさ」だが、それはかえって死の即物性というか、そういうものをフィルム以上に表現していたのではないか・・・と、塚本信者でもある自分はそんな風に擁護してしまおう。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『年末年始特別企画(4)2010年代映画のベストテン:日本映画篇 16年・17年』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末年始特別企画(2)2010年代映画のベストテン:日本映画篇 12年・13年

2019-12-22 00:10:00 | コラム
「その年」を象徴する10年代の映画作品、本日は12年・13年度からセレクト。

【2012年】

『桐島、部活やめるってよ』
監督:吉田大八 出演:神木隆之介、橋本愛、東出昌大、清水くるみ、山本美月、松岡茉優

原作超えを果たした青春映画の傑作。

いわゆるスクールカーストの底辺に位置する映画オタクの視点から学校という小宇宙を俯瞰し、なおかつ彼らの手によって階層をひっくり返してみせる―という離れ業をやってのけた。



【2013年】

『風立ちぬ』
監督:宮崎駿 主題歌:松任谷由実 声の出演:庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦



子どもたちのためではなく、自分のために撮る。
ということをやったら、例えば仲良しのジブリ女子なんかは「最高につまらなかった」と腐したわけだが笑、それもよし、
ヘンクツで頭のいい宮崎爺が「そうなること」を想定していないわけがない、つまりは、それでも撮りたかったということ。

今まで沢山の宝を生み出してきた爺は、この歳になってまで期待を背負うことはない。

もっと好き勝手にやってくれ!!

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『年末年始特別企画(3)2010年代映画のベストテン:日本映画篇 14年・15年』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする