Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(12)アレック・ボールドウィン

2022-06-25 00:10:00 | コラム
58年4月3日生まれ・64歳。
アメリカ出身。

いまボールドウィンについて語ろうとすると、この問題を避けるわけにはいきません。

去年10月21日―新作『Rust』撮影中、小道具の銃に実弾が入っていたことから事故が起こり、撮影監督が死亡してしまいました。

これから裁判があるのかな?
ブランドン・リーや勝新太郎の例もあるとおり、ときどき「こういうこと」が起こってしまうのですよね。

防げそうなのに、なぜだか起こる。
リアリティを追い求めるあまり、、、ということなのでしょうが。
ブランドンのケースで囁かれたような「陰謀説」の可能性はゼロだろうし。

いずれにしろ。
ひとが死んでいるので無責任なことはいえませんが、これでキャリアが途絶えてしまうには、あまりにも「もったいないひと」なんですけどね…。


※事件前までは、これで有名だったのに。
すごく似ている、トランプのパロディ


<経歴>

ニューヨーク大学卒業。

前妻はキム・ベイシンガー。


6人兄弟の長男で、弟たち―ダニエル、ウィリアム、スティーヴン―も俳優。

実質的な映画俳優デビュー作は、87年の『ウーマン・イン・ニューヨーク』。

つづく『ビートルジュース』(88)のスマッシュヒットにより、映画ファンの目にとまる。
『愛されちゃって、マフィア』(88)、『ワーキング・ガール』(88)、『グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー』(89)などの助演を経て、
『レッド・オクトーバーを追え!』(90)でジャック・ライアン役に大抜擢される。

ショーン・コネリー爺ばかり目立っていましたが、いやいやボールドウィンもなかなかのものです。
そーとーな伊達男ですし!


『アリス』(90)、ベイシンガーと恋仲になるきっかけだった『あなたに恋のリフレイン』(91)、『キスへのプレリュード』(92)、『摩天楼を夢みて』(92)、
ニコール・キッドマンが演技開眼する直前の佳作『冷たい月を抱く女』(93)、

そして、マックィーンの代表作をリメイクした『ゲッタウェイ』(94)で再びベイシンガーと共演。
オリジナルに比べたら甘~~い感じですが、まぁ物語そのものは面白かった記憶がありますね^^


『ヘブンズ・プリズナー』(96)、『ゴースト・オブ・ミシシッピー』(96)、『リチャードを探して』(96)、『マーキュリー・ライジング』(98)。

『パール・ハーバー』(2001)、『アビエイター』(2004)、『エリザベスタウン』(2005)、やけに腹黒い上司を好演した『ディパーテッド』(2006)、『グッド・シェパード』(2006)。

意外だったのが、第82回オスカー授賞式(2010)で司会を務めたこと。
日本では意外ですが、上記リンクの『サタデー・ナイト・ライブ』を観ると、あぁなるほど!と。

『HICK ルリ13歳の旅』(2011)、スコセッシだけでなくウディ・アレンとも相性がよいことが分かる『ブルージャスミン』(2013)、
『アリスのままで』(2014)では、若年性アルツハイマー病を患うジュリアン・ムーアの旦那役を好演、
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)と『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)ではCIA長官、

ほかにも『ブラック・クランズマン』(2018)や『マザーレス・ブルックリン』(2019)などなどなどなど、
若いころに比べ体型は「ずんぐり」になったものの、そのぶん「大物感」が出るようになり、これからの活躍も期待出来る、、、そんなさなかの事故でした。

うーーん、どうなるんでしょう。


次回の列伝は、アンセル・エルゴートさんから。

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明日のコラムは・・・

『少し、燃え尽き症候群(^^;)』
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令和版・海外俳優列伝(11)アレック・ギネス

2022-06-24 00:10:00 | コラム
14年4月2日生まれ・2000年8月5日死去、享年86歳。
イギリス出身。

ナイトの称号を持つギネスは、名匠デヴィッド・リーンと組んだ数々の傑作でクラシック・ファンに馴染みの深い名優さん。
と同時に新規映画ファンにとっても覚え易い故人、、、であるのは、もちろんオビ=ワン・ケノービを演じたひとだから。



しかし後年、ギネスは『スター・ウォーズ』初期3部作(77~83)に出たことを「深く後悔している」と発言、ファンを困惑させました。

まぁゲイリー・オールドマンも大人気作『レオン』(94)の悪徳刑事役を演じたことは「間違いだった」と告白し、やはり『レオン』信者を落胆させてますし、これぞ「いろいろ、あらーな」だと思うんです。
過去は消せないからこそ、そう発言するのでしょうし。
たしかに感動したからこそ、そんな過去作を否定することを残念に思うのでしょうし。


※自分にとっては、クワイ河マーチのひとです^^



<経歴>

私生児として生まれる。

30年代より舞台の世界でキャリアを築き始め、やがてデヴィッド・リーンと出会う。

実質的な映画俳優デビュー作は、46年のリーン監督作『大いなる遺産』。

『オリヴァ・ツイスト』(48)、
「見巧者たちのオールタイムベスト」などのアンケートを取ると、決まって上位につける洒脱な作品『マダムと泥棒』(55)、


『戦場にかける橋』(57)でニコルソン大佐を好演し、オスカー主演賞受賞。
さらには『アラビアのロレンス』(62)のファイサル王子役で鮮烈な印象を残す。


この少し前にナイトの称号を受け、イギリスを代表する名優として名を馳せる。

『ローマ帝国の滅亡』(64)や『ドクトル・ジバゴ』(65)、『クリスマス・キャロル』(70)でもたしかな演技を披露し、
たしかに「このくらいのひと」が―というと語弊があるのか、当時は「子ども向け」と「下に見られていた」はずの『スター・ウォーズ』に出演するというのは意外だったのかもしれません。

子どもも楽しめる『クリスマス・キャロル』と、子どもに向けて創られていると「されていた」SFでは「おおきなちがい」がある。みたいな?

ともあれ!
「エピソード4/新たなる希望」(77)、「エピソード5/帝国の逆襲」(80)、「エピソード6/ジェダイの帰還」(83)におけるギネスさんの役柄(オビ=ワン…ちょうどいま、サイドストーリーが配信されてますね!)はこのシリーズを特別にしている「大事な要素」として、マニアたちに大歓迎されたのでした。

ほかの出演作に・・・
『レイズ・ザ・タイタニック』(80)、このあたりの好演も記憶にとどめておくべき『リトル・プリンス』(80)、リーンとはずっと良好な関係を築いていたことが分かる『インドへの道』(84)、
かと思えば若き天才ソダーバーグの珍作『KAFKA/迷宮の悪夢』(91)にも出演したりと、なかなかに自由な作品選びで、SWのなにがそんなに気に入らなかったのか?みたいな風にも思ったりしちゃいますけど(^^;)

2000年8月5日、肝臓がんにより死去。
享年86歳、遺作はホラー映画『ミュート・ウィットネス』(95)でした。


ガキのころは、『エクソシスト』(73)でメリン神父を演じたマックス・フォン・シドーと混同したりしましたが^^
シドーはスウェーデン人、ギネスはイギリス人ですからね、よーーく見たらぜんぜんちがうのですけど………。

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(12)アレック・ボールドウィン』
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令和版・海外俳優列伝(10)アルバート・フィニー

2022-06-23 02:57:38 | コラム
36年5月9日生まれ・2019年2月7日死去、享年82歳。
イギリス出身。

フィニーといえば・・・
自分より上の世代はポアロ、


自分の世代では『ミラーズ・クロッシング』(90)の親分、


自分より下の世代では、『エリン・ブロコビッチ』(2000)でジュリア・ロバーツに振り回されながらもきっちりサポートする弁護士の印象が強いでしょう。


こんな下品な台詞が飛び交っているのに万人受けしたのは、そばにフィニーが居るから、、、なのですよね^^

「全員のアレをしゃぶった」



<経歴>

2度目の結婚相手は、『甘い生活』(60)や『男と女』(66)で知られるアヌーク・エーメ。

王立演劇学校卒業。
同級生にはなんと、あのピーター・オトゥールが。

卒業後、舞台の世界で活躍し輝かしいキャリアを築く。
映画の世界への参入は、60年の『寄席芸人』から。

『土曜の夜と日曜の朝』(60)、
オスカー作品賞を受賞した…割には日本ではそれほど観られていない気がする『トム・ジョーンズの華麗な冒険』(63)、
オードリー・ヘップバーン主演、ある夫婦の12年間を複数の時間軸で描く凝った佳作『いつも2人で』(67)、
『クリスマス・キャロル』(70)、
そして『オリエント急行殺人事件』(74)でポアロを熱演、自分は世代的には「太っちょユスチノフ=ポアロ」なのですが、クリスティ原作物のなかでも「クセモノ」感が強いオリエントでは、フィニーくらいシャープなポアロのほうがいいかも??

リドリー・スコットが「基本、変わらないひと」であることが分かる名作『デュエリスト/決闘者』(77)、
『アニー』(82)、舞台人の悲哀と覚悟が描かれる『ドレッサー』(83)、『火山のもとで』(83)。

しかし自分がフィニーを強く意識したのは、コーエン兄弟によるギャング映画『ミラーズ・クロッシング』から。

暗殺を企てる男たちと、それに対抗するフィニー。
このシーン、すごくないですか。



『背信の行方』(99)、前述した『エリン・ブロコビッチ』、『ビッグ・フィッシュ』(2003)、『プロヴァンスの贈りもの』(2006)、『その土曜日、7時58分』(2007)。

2007年、腎臓がんであることを告白し闘病生活に入る。
…も、2019年2月7日に死去。
享年は82歳、遺作は『007 スカイフォール』(2012)でした。

歳を取るごとに格好よくなり、また、面白くもなった名優さんでした。合掌。

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I-BI-KI

2022-06-22 00:10:00 | コラム
モニターと対峙して原稿を仕上げていると。

そりゃ睡魔に襲われるときもあって。

目薬も効かん。
コーヒーも効かん。
ガムも効かん。
立ち上がっても効かん。

締め切りが迫っているときはシャワー浴びて強引に目を覚ますが、少し余裕があるときは椅子に座ったまま軽く睡眠を取ったりして。

すると10分後、きまって「自分のいびき」に驚き、飛び起きると(^^;)

まぁこれで完全に目が覚めるので「結果おーらい」ではあるものの、体勢の問題もあるのだろうが自分、こんなにいびきかくの?とショックを受けたり。

体勢と「体調」と「口」呼吸が、いびきの原因とされる。
「ときどき」しかも「小さめ」であればかわいらしさ?もあるかもしれんが、たとえば同居人が居たとして毎晩のように「大きい」いびきとなると、これはもう迷惑でしかないだろう。

以前、スマホのレコーダーアプリを使っていびきを録音してみたが、「録音しているのだから」という意識も働いて「かなり小さいいびき」だった。
これじゃあ参考にならん、
分かっているのは酒を吞んだ日の自分は、なかなかに大きないびきをかいていること。

酔っていると、口呼吸への意識も弱まるということか。

先日―工場バイトで「鼻呼吸を促す口テープ」というグッズを梱包した。
効果があるか分からんが、安かったし、とりあえず購入。

届いたら、すぐ試してみよう^^


※就寝時に「音量ちいさめ」で流す曲


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日本女優別10傑(9)江口のりこ

2022-06-21 00:10:00 | コラム
~江口のりこのキャリア10傑~

ふと気づいたら、映画やテレビの世界における「居てくれなくちゃ困る」バイプレーヤーとなっていた江口のりこさん42歳、
不思議なエロスもまとっていて、とても魅力的なひとだと思います^^

テレビドラマでいうと、新版の『ドラゴン桜』もえがったなぁ!



(1)『戦争と一人の女』(2013)

原作は安吾、そして、数少ない主演作。




(2)『ヘヴンズ ストーリー』(2010)

瀬々敬久の監督魂が爆発した、278分の群像劇。



(3)『愛がなんだ』(2019)

岸井ゆきの主演の青春映画。

江口さんは出番少ないが、きっちり「持っていく」ので、さすがだなぁと感心感心。


(4)『月とチェリー』(2004)

江口さんを「発掘」したともいえるタナダユキ監督が放つエロティックなコメディ。


(5)『百万円と苦虫女』(2008)

こちらもタナダユキ監督作で、主演は蒼井優。


(6)『横道世之介』(2013)

2010年代の日本映画を代表することになるであろう名作。

主演の高良健吾や吉高由里子はもちろん、池松壮亮・伊藤歩・綾野剛、そしてもちろん江口さんなどキャスト全員がハマっていて、以前アルトマンの『ショート・カッツ』(93)が映画祭で「出演者全員賞」に輝いたが、本作にもそういう評価をあげたい。


(7)『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(2015)

これまた2010年代の意欲作。
金曜ロードショウは、こういうのも流そうよ。



(8)『仮面病棟』(2020)

知念実希人の人気小説を、坂口健太郎と永野芽郁の主演で映画化。

しかしこのショットもそうなんだが、江口さんは怪しい感じのキャラが抜群なのよね。



(9)『彼らが本気で編むときは、』(2017)

新しい家族像を探る、荻上直子の佳作。

トランスジェンダーの描きかたとか、とても自然で「大袈裟でないところに」好感が持てた。


(10)『僕たちは世界を変えることができない。』(2011)

自費出版からヒットにまでつなげた小説を映画化、
ボランティアというバランス感覚が問われる「危うい主題」ではあったものの、監督が深作健太なので、そこは回避出来ている。

江口さんは、主演・向井理の恋人役を好演。

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明日のコラムは・・・

『I-BI-KI』
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