雨の中小走りで駐車場に向かうゆきさんを目で追った。
プリウスのスモールライトが2度点滅し素早く乗り込む姿が見える。
入り口前に回ってきた車の中から手を振るゆきさんに応え、
助手席のドアを開けた。
「プラグインなんだね」
「そう、PHV」
「コンセントとか大変だったでしょ」
「うん、でも図書館とかホームセンター行けば無料で充電できるし」
そんな話をしながらユキオは自宅への道順を指示した。
走り出して二つ目の信号で止められた。
しばらく待っても全く動く気配がない。
窓から乗り出して見るとかなりの渋滞になっている。
「事故みたいだね」
「困っちゃったなぁ、あっサイレンが聞こえない?」
「ホントだ、あれは救急車だね」
「これから処理だと結構かかるかも…」
「んじゃさ、Uターンしてあっちの道行こう」
「私この辺の道知らないよ」
「大丈夫僕が知ってるから、すぐそこあの横断歩道のとこ入って」
「分かった」
渋滞を回避して遠回りすることにした。