僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

PSSⅡ…⑩

2017年02月14日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

 

「いい加減に言うこと・・・って、全く何回・・・ば気が済むんだ」
「・・・・・」

鬼コーチの言う「婆さん」に言っているようだ。

 

「婆さん」とは鬼コーチの母親で97歳、隔日にデイケアの施設に
通っていると聞いているが、今日は休みの日なのかも知れない。
何か会話をしているようだが、ユキオ達には聞き取れない。

 

玄関に近づいたが激しい声にチャイムを押すのをためらった。

 

「臭いから取り替えろよ、パンツはけって言ってるんだよ」
「パンツはいてるよ」

「それじゃない、俺が渡した紙パンツだよ、置いといただろ」
「知らないよ」

「知らないよじゃない、渡したろ、あれだよ」
「・・・・・」

 

「朝からまた漏らしたろ、それ履いてれば漏らしてもいいんだよ」
「漏らしてなんかないよ」

「分かんねぇのか、いいから取り替えてパンツ履いてこい」
「汚れてないよぅ」


「こないだも臭いと思ったらしてたろ」
「なんだい」

「うんこ漏らしたろ、その時のパンツどうした?」
「そんなの知らないよ」

「トイレの便器にべっとり付いてたよ、拭いといたけどな」
「知らないよ」

 

「もういいけど汚れたら隠すのやめろよ、どこへやったんだ」
「そんなことしてないよ」

「してるから言ってんだよ」
「なんだい人をバカにして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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