僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

PSSⅡ最終回

2017年02月15日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

「ちゃんと写真も撮ってあるんだからな、見せようか?」
「そうやって人をバカにして、まったく」

「まったくじゃないよ、明日ケアの人に頼んどくけどな、
不潔だからさ」
「いいよそんなこと」

 

「明日は行く日だから、風呂入れてもらってから取り替えるんだぞ」
「明日どこへも行かないよ、お風呂なんかいらないよ」

「明日はケア行く日だよ、いつも行ってるだろ、そこ行くんだよ」
「知らないよそんなとこ」

 

「ふざけんなよ、いつもお迎えがくるだろ」
「あたしなんかもうすぐお迎えくるんだからいいんだよ」

「あぁそうかい、んじゃ早く逝っとくれ」
「いなくなればいいんだろ、もう死にたい、いつもバカにされて」

「そうか、んじゃ死んでくれ、、死んでくれれば助かるわ、すぐ死んでくれ」
「もう生きてたってしょうがない、殺される前に死んでやる」


 

ガチャン!となにかが壊れる音がした。


ユキオ達は玄関からそっと離れ、無言で車に向かう。


突然玄関が荒々しく開けられ、振り返って眼鏡を投げつけた母親が
杖も持たず顔をくしゃくしゃにして歩き出すのが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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