僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

PSSⅡ…④

2017年02月07日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

「僕もああゆうスポーツカーなら欲しいです」
「今時の若い者にしちゃぁ珍しいなぁ車好きは」


「車はあればいいと思いますけど、無くても生活できるし…」
「昔は男って言ったらみんな車に憧れてたもんだ、セコハンでもいいから
いつか自分の車を持って、うん、彼女を隣に乗っけて夜の飛行場とか行ってな」

「いやぁ~、それいいですねぇ、それでシート倒しちゃって」
「いやいや、そうだな、でもな、今じゃ普通だけど
リクライニングシートができたのはいつだったかなぁ、昔は無かったからな
アメ車はベンチシートって言ってな助手席とつながってるヤツだった」


 

「ノークラッチとかハイブリッドとか車も進化してますよね、
先輩の車はマニュアルですか?」
「いやぁさすがにもうオートマだな、自分でシフトするのは楽しいんだけど、

町中で何度もクラッチ踏んで走るのはきついだろ」

「そうですよね、エアコンも今じゃ当たり前ですもんね」
「標準で付いてるってのがすごいね、俺の頃は窓も自分で開けたもんだ」

「あぁ知ってます、ハンドル回すんでしょ」
「あれはあれでなかなかいいんだぞ、シフトレバーと一緒でな、
自分で操作する楽しみがある、今は何でも便利になりすぎてるな」

 

「あと三角窓も知ってますよ、マニアックでしょ?」
「ほぅそりゃすごい、マニアもいいけどさすがに三角窓はもうどこにもないだろ」

 

「僕も一台欲しいです、マニュアルの車、
装備は何にも付いてなくていいから、その分安くして」
「セコで探せばいいのもあるだろ、最初はセコハンでいいんだよ」

 

「マニュアルの中古ってなかなかないですよ」
「そうか、あんまり作ってないし、多分特注とかで、好きな奴は丁寧に手入れしてずっと乗るしな、
家の近所の人は今でもマニュアルのハコスカ乗ってる人がいるなぁ」

「ハコスカってアレですか?横浜ナンバー?」
「いやいやナンバーじゃなくてさ、箱型のスカイラインGTだ、
四角っぽいデザインのってことだ」

 

「ケンメリって言うのがそうですか?」
「そうそう、よく知ってるね、ケンとメリー、確かスカイラインがクーペになった時だ
♪あ~いのスカ~イラインってな、歌も良かった」

 

「まだGT-Rじゃなくてスカイラインって付いてた時ですか」
「日産じゃなくてプリンス自動車が生きてた頃だ、尾灯がふたつ丸くて
サイドラインがこう、すーっと入ってるのがスカGだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PSSⅡ…③

2017年02月06日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

「仕事は何をなさってたんですか?」
「なさってたって程のものじゃないけどな、バスの運転してたんだ」

「そうなんですかぁ電車とかバスの運転手さんって子どもが憧れますね」
「そうそう、俺のオヤジが鉄道マンでね、俺はバスが好きになってさ」

 

「あれ、どうして鉄道じゃなかったんですか?」
「小さい頃は電車も好きだったけどね、だんだん車がよくなっちゃってさ、
当時はまだ自家用車持ってる家はよほどの金持ちだからね、
憧れもあってどんどん車好きになって、大きくなったら
絶対自分の車持つんだって決めてたな、それでいつの間にか仕事も車になっちゃった」


「今は車に憧れる若者が少なくなってるって話ですよ」
「そうなんだってな、ダメだよそれじゃぁ、
若い奴は中古でもいいからカッコいい車買ってさ、隣に彼女乗っけてやんなきゃ」


「草食系って言うんですって」
「ダメダメ、そうゆうの、だからいい車作っても売れないし、みんな同じ様なデザインになってきた」

 

「確かに、車欲しいって友達いないものなぁ」
「スポーツカーって売り出してるのはみんな小金持ちのオヤジ狙いだろ」


「そうみたいですね、ホンダのビートとかダイハツのコペンとか、軽もその辺狙いかな」
「そうそうよく知ってるな、本当はGT-Rか86に乗りたいオヤジが
車2台は贅沢だから軽のスポーツ買うんだよな」

 

「ひょっとして駐車場においてある赤いコペンのSは先輩のですか?」
「おっ、そうなんだ、君は結構車好きみたいだな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PSSⅡ…②

2017年02月05日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

「あっイテッ、結構派手にぶつかっちゃった、ごめんなさ~い」

立ち止まってすぐに謝るユキオだが、相手はそのまま泳ぎ続けて行ってしまった。

 

「よかった、また怒られるのかと思った」

偏屈な老人に怒鳴られたことを思い返し冷や汗が出た。
相手のスイムキャップを覚えておいて気を付けようと思った。

 

歩きコースに戻って一回りしたところで
「ようっ」
と声をかけられた。見るとさっきぶつかったスイムキャップの人だ。

 

うわっ、やばっ…


「さっきはどうも済みません、痛かったでしょう?」
先に謝っとくことにこしたことはない。

「あぁ何でもない、だいたい1つのコースなのに2人泳ぐんだから
ぶつかっちゃうのは当たり前さ」
「あっ、はい、でも済みませんでした」

「どっちが悪いってこともないしな」
「そうですよね、でもすごく怒る人もいますし」

「そうみたいだねぇ、まったくなぁ」


 

ユキオは相手の寛大な反応にむしろ驚いた。

 

「みんな先輩みたいな方だといいんですけど」
「ははは、年取ると怒りっぽくなる奴もいるからな」

「先輩はおいくつなんですか?」
「俺か?71だよ、ここじゃぁ平均的だろ」

「71歳が平均なんですか?」
「いや調べた訳じゃないから分からんけどな、大体そんなもんだろ」

「それじゃぁもっと上の人も来てるんですか?」

 

男はゴーグルを目からはずして周りを見渡した。

 

「ほれ、向こうのコースでおしゃべりしてるおばさんがいるだろ、
あの黄色いキャップの人」

「えぇ、はい」
「あのおばさんは79だってさ、今で言うあらエイティーだな」

「え~っ、すごいですね、さっききれいに泳いでましたよ」
「だろ、ナベちゃんって言ってな、ここの主みたいなおばさんだな」

 

「みんな愛称で呼ぶ仲間なんですね」
「ここだけの付き合いだから、名前なんか聞いてもすぐ忘れちゃうしな」

「とっても80には見えませんけど」
「そこが女のすごいところだ、男よりずっと長生きだからな」

 

そう言って笑う男もはつらつとしている。


「先輩だって71には見えませんよ」
「そうか、んじゃいくつだ?」

「えっと10は若く見えます」
「そっか、だけど若く見えるっていうのは年寄りに言う言葉だからな」

「そうなんですか?」
「君は若く見えるなんて言われないだろ?もともと若いんだから」

「あぁ、まぁそうですね、ここでは若造ですね」
「おれも仕事辞めてもう10年だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もっぱらヨーグルト

2017年02月04日 | 作ってみた

 

 

 

 

ヨーグルティアという道具を買いました。

1万円ほどしますが、充分価値があると思います。

塩糀や甘酒も一晩で作れます。

 

ヨーグルトは市販のカップに入ったヨーグルトを種菌にして、

40度、9時間の設定で牛乳1パック分がヨーグルトになります。

週一ペースで作っています。

 

乳酸菌はその他どぶろく造りにも欠かせないものです。

 

乳酸菌入りのお菓子や食品は名前だけの怪しいものも混じっているみたいですが

ヨーグルトやヤクルトはちゃんと種菌として培養できるので本物ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PSS(プールサイドストーリー)シーズンⅡ

2017年02月04日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

ウエストプラザ、それがユキオの通うプールの名前。

ここは障害者及び高齢の人たちのための市の福祉施設で、
温水プールの他に体育館、マシンジムや小さな視聴覚室、風呂、
食堂も備わった総合施設だ。
障害者や高齢者のグループだけでなく毎日沢山の人たちが利用している。


どの設備も60歳以上の市内在住者は無料、
午前中は障害者、高齢者専用だが、3時からはユキオのように
60歳未満の一般人も料金を支払えば一緒に利用できるのだ。


「ぶつかりますよー!背泳ぎの方ーぶつかりまーす!」
突然ハンドスピーカーを持った監視員の大声がプールに響く。

25メートルの完泳コースは1コースで往復泳ぐので右側通行がルールなのだが、
隣の歩くコースで流れるプールを作り出しているので
どうしてもコース内の水も一定の方向へ押される。
泳いでいても流されてしまい、時々衝突事故も起きる。


「ぶつかったらちゃんと謝れよ」
「いや、ぶつかったのはそっちだろ」
と喧嘩になることはないが、

「あの人ってね、ぶつかっても謝らないのよ」
「あんなに固まってコース塞いじゃってるから泳ぐ人のじゃまだねぇ」
なんて文句を言う人はいるのである。


バチン!
クロールで泳ぐユキオの右手が当たった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

節分会(せつぶんえ)

2017年02月03日 | ウォッチング

 

 

 

 

「間もなく豆まきを開始します」との案内から15分ほど経った後

いよいよ年男の登場

 

「ふくはうち~」のかけ声と

「わ~っきゃ~っの嬌声…」

ガードマン達の「押さないで」「飛び上がらないで」のハンドマイク

 

阿鼻叫喚!とまではいかないけれど…

 

そりゃぁ誰だって縁起物は欲しいわなぁ

 

 

写真を一通り撮ったマイムも参戦!

見事ゲットすることができました♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界にひとつだけの

2017年02月03日 | いろいろな顔たち

 

 

 

 

ここに僕の居場所があった

 

いつもみんなのお尻を見ていたけど

 

ある日気がついたら

 

お尻じゃなくて

 

にっこり笑顔が見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の洗剤

2017年02月02日 | 何でも掲示板

 

 

 

 

部屋干しに最適とか、とってもいい匂いが持続するとか言ってるが、

あの画一的で押しつけがましい匂いが苦手です。

 

洗濯洗剤も食器洗いも、香料はいらないと思っています。

 

洗濯したものに袖を通す度に、はっきり言ってむかつきます。

洗濯機も洗濯機で早く洗えるとか言って時間を短縮する傾向にあるけど、

ちゃんと洗ってゆすげてるのか疑問のあるところです。

 

匂わないのでコレに変えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PSS…⑫

2017年02月01日 | ケータイ小説「パトスと…」

イラスト=samantha french

 

 

 

 

 

何度同じことを話しても嫌な気分になるどころか、繰り返しを楽しんでさえいた。
もちろんそのことを指摘したり、とがめたりしないように心がけた。

父には散々に言って、ほとんどいじめにも似た苦い思い出があったからだ。


 

「だからそうじゃないっていつも言ってるだろう、それはさっき聞いた、
何回同じことやってんだ、昨日も言ったよそれ、
ったくボケがが進んでるって言ってるんだよ」

その都度苦虫をかみつぶしたような顔をして、聞いてないと言い訳を繰り返していた。

ユキオが何度も暴言をぶつけたのは、壊れていく父を見ているのが悲しかったからだ。


やがて反論も言い訳もしなくなり、うつむくだけになった。

 

しぼんだような顔でベッドに横たわったまま、
毎日を同じように夢うつつに繰り返すようになってしまったと気づいた頃
やっと父の苦しみを少し理解することができるようになった。

もっと他の言葉が無かったのか考えられるようになった時、
父はもうほとんど言葉を失っていた。


 

「やっぱりあの人変でしょう?」

ゆきさんは顔をしかめながら言った。

「認知症だと思うよ、認知症ってそういうものだから大丈夫、
危ない人じゃないから、そうですかそうですかって返事してればいいんだよ」

「でも若い女の子がかわいそうだし…」

「今度また若い娘が狙われてたら、僕が行くから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする