窓辺のナナカマド ニコライ・オメリュシク
わたしの窓辺に一本のナナカマドが生えている。その木には新年直前まで
実の一部がなりつづけていた。実際には雨や凍てにいためつけられ、実は黒
ずんで、もうそれほど鮮やかでも美しくもない。だがそれでも十二月のぬか
るみやうす暗さのなかでは目に立つあでやかさ。まだこのナナカマドには
緑の葉の間で真っ赤に房が燃えていた晴天の九月の日々にはじまった秋の
記憶がつづいている。
祝祭にあらわれるお客たち、真っ先にシジュウカラたち。はじめはわたし
が窓敷居に撒いたもてなしのカボチャの種を試食した。そのあとでなかの
一羽が木に飛び立ち、実をいくつかついばんだ。シジュウカラについで、
ウソたちのお出まし。やっぱりナナカマドを試して、となりのカエデの種子を
食べ出した。
こんどはもっと大きい鳥がお出まし――ツグミだ。なんといってもナナカマドは
ツグミたちの好物なのだ。枝にとまって、がつがつとついばむ。下を通るひとに
驚いて飛び去り、でもすぐに舞い戻ってくる。
物乞い屋のスズメたちがほかの鳥を見て、まねして実の味見をしてみる。でも
これがおいしいなんて、さっぱり分からない。他の場所に獲物を探しに消え去った。
・・・それぞれの窓辺に生えるナナカマド、あるひとには美しさを、別のひとには
よいことを運んでくれる。
わたしの窓辺に一本のナナカマドが生えている。その木には新年直前まで
実の一部がなりつづけていた。実際には雨や凍てにいためつけられ、実は黒
ずんで、もうそれほど鮮やかでも美しくもない。だがそれでも十二月のぬか
るみやうす暗さのなかでは目に立つあでやかさ。まだこのナナカマドには
緑の葉の間で真っ赤に房が燃えていた晴天の九月の日々にはじまった秋の
記憶がつづいている。
祝祭にあらわれるお客たち、真っ先にシジュウカラたち。はじめはわたし
が窓敷居に撒いたもてなしのカボチャの種を試食した。そのあとでなかの
一羽が木に飛び立ち、実をいくつかついばんだ。シジュウカラについで、
ウソたちのお出まし。やっぱりナナカマドを試して、となりのカエデの種子を
食べ出した。
こんどはもっと大きい鳥がお出まし――ツグミだ。なんといってもナナカマドは
ツグミたちの好物なのだ。枝にとまって、がつがつとついばむ。下を通るひとに
驚いて飛び去り、でもすぐに舞い戻ってくる。
物乞い屋のスズメたちがほかの鳥を見て、まねして実の味見をしてみる。でも
これがおいしいなんて、さっぱり分からない。他の場所に獲物を探しに消え去った。
・・・それぞれの窓辺に生えるナナカマド、あるひとには美しさを、別のひとには
よいことを運んでくれる。