まいぱん日記

身近なあれこれ、植物のことなど

昔話から出てきた夕べ(N.オメリシュク)

2021年12月19日 | ロシア

  昔話から出てきた夕べ

           ニコライ・オメリシュク

半月、厳寒(マロース)がつづいた。

雪のない裸の地面は凍結し、窪地や溝や水たまりは氷でおおわれ、通れなかった秋の泥濘(ぬかるみ)は窪地で凍りついた。

原っぱの草は霜で一面真っ白になって下を向いている。

顔と手が凍てつく。

今日は朝から空気がやわらかでやさしい。一日中靄がかかっていた。

ところが、夕方ちかく、遠い森のうえで夕日が顔をくもらせたと思ったら、黄昏どき、はじめはおずおずとひとひらづつ、それからどんどん雪片が舞いはじめた。

なんて大きな六角模様!

三十分たったら、庭は白くなり、窓はすっかり青色になった。

雪片を通して見える村の灯りは、まるで忘れてしまった古い昔話の挿絵のようだ。

 

18日朝、札幌のSくんから庭の写真付きのラインで雪が前日から降りっぱなしで66センチつもっているとのこと。テレビで観測史上最深っていってたって教えてあげました。ちょっとうれしいけれど、最近とみに雪かきがつらくなったとのこと。

最初に積もった雪というと私の中にはオメリシュクのこの「昔話からでてきた夕べ」が浮かんできます。雪は見慣れた風景を違ったものに変えます。短い文と写真の『窓辺のナナカマド』という1989年にベラルーシのミンスクで出た本に入ってます。ずっと前に訳しました。ブログにものせたことがあるかもしれませんね。

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