なにもやる気になれなくて夜、咲きはじめたシラーシビリカの鉢をテーブルの上に持ってきて、眺めています。
咲いているのもあれば、芽を出したばかりのもいろいろですね。
手前で緑色の細い針のようなものがでているの、分かりますか。
これは種から生えた芽です。シラーシビリカは乾燥気味に育てると思い込んでいて、あまり水をやらなかったので、枯れてしまったのもあるみたいです。
アレクシエーヴィッチ著『戦争は女の顔をしていない』の訳者、故三浦みどりさんにとってシラーシビリカは忘れられない大好きな春告げ花でした。若いときにロシアのヴォロネジというところで通訳をして働かれていたのですが、春になるかならないうちから町中の人々がこの花が咲くのを胸をわくわくさせて待ちかねていて、咲いた知らせが届くとだれもかれもが摘みに出かける話を当時の同人誌に書かれています。町中の人が摘んで持ち帰るほどたくさん咲いていたのです。ずっとあとで都内のお家の近くを散歩中によその家の庭でシラーシビリカが咲いていたとお便りをもらったこともありました。
三浦さんが生きていたら、今何をされたでしょうか。
あとひと月もしないうちにシラーシビリカはロシアのあちこちで、もちろん、ウクライナでも咲きだすことでしょう。
今日はオリガ・ホメンコ『国境を超えたウクライナ人』(群像社 2022年2月)を読んでいます。