「水上青々翠」の御軸
Wさまがいけたテッセンと春紫苑 (はるじおん)
花入は白洲正子さん愛用の「鉄製燈明台」の写し、京都にて入手
(つづき)
待合の掛物は「青楓に杜鵑」(奥谷秋石画)、
本席には「水上青々翠」(足立泰道老師筆)を掛けました。
摘んだ野の花や持ち寄りの茶花を花台と炭台に乗せて持ち出し、お客さまにいけて頂きました。
野の花と言っても季節が少しずれるだけで咲く花が全く違いますので、人も花も同じく一期一会ということでしょうか。
その移ろいゆく一瞬をいとおしむように、花入を選び、花を選び、その方の想いを込めて生け、それを共に味わう楽しさは格別でした。
Sさま・・・紫陽花、ススキ
ガラス花入(スウェーデン・コスタボダ製、白い織のような襞がステキです)
Rさま・・・白い擬宝珠(ぎぼうし)
駿河千筋籠
Kさま・・・コスモス、野草(かもじ草?)
やな籠
Hさま・・・テッセン、都忘れ、下野草
花入は爵(しゃく、中国・殷周時代の青銅器の一つ。
三本足の酒器で祭礼に用いた。もちろんレプリカですが・・)
KSさま・・・南天の花、木萩
花入は韓国旅行のお土産の杼(ひ)。
(杼は織機の付属用具、横糸とする糸を巻いた管を、舟形の胴部の空所に収めたもの。
端から糸を引き出しながら縦糸の間を左右にくぐらせる)
お客さまとの出会い、野の花との出会い、花入との出会い・・・床の間が初夏の花に彩られていきました。
茶会最後の挨拶の時、詰・Wさまが
「花を入れながら、その楽しさに皆様の心が一つになったように思いました・・・」
と感想を述べてくださって、その言葉が嬉しく心に響きました。
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