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境内のしだれ梅がほころんで・・・
1月27日に東京教室の初釜・初稽古へ出かけました。
・・・・当日まで「東京まで行けるかしら?」と案じていました。
Hさまの茶事の数日後から左足が痛くなり、一時は歩くのも大変でした。
「炬燵でテレビ」の安静状態(?)を心掛け、気合だけで東京へ出かけました。
H駅の階段をやっとこさ登り、10分足らずの東京教室までの道のりを遠く遠く感じながら・・・。
でも、東京教室の初釜へ初めて参加できて良かった!です。
だいぶ記憶が薄れていますが、記憶に留めておきたい初釜でした。
床のお軸は初釜らしく一富士、二鷹、三茄子の画賛ですが、面白いことに鷹の画はなく
「一ヶ蒼鷹画不来」という禅問答のような賛があり、松月老人(大徳寺418世・宙宝宗宇の号)筆です。
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年頭のご挨拶を交わし、恒例のS先生のお点前で濃茶を頂戴しました。
主菓子は花びら餅(川端道喜製)、わざわざ京都から運んできてくださったのです。
「どうぞ菓子楊枝で切らずにかぶりついてください。
道喜さんの花びら餅も以前より変わってきました。
もっと大きかったし、味噌餡が流れるほど柔らかったのですが・・・」とS先生。
それでも餅の柔らかさや味噌餡の味わいがだんぜん違い、一同感激して頂戴しました。
今日は年に一回、先生のお点前を拝見できる日でもあります。
足運び、姿勢、袱紗捌き、間合い、流れるような所作、皆、息を呑んでみつめています。
広口の茶入から緑色の濃茶がさらさらと流れ落ちる様子が絵のようで、
足のことなどすっかり忘れ、別世界に居るような心地で眺めていました。
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島台茶碗で2服濃茶が点てられました。
丁寧に練られた濃茶は香り好く、まろやかな甘みが口の中でとろけるようです。
濃茶は福寿園の「栄松の昔」、初めてかも・・・です。
島台茶碗とは、茶道大辞典によると
「井戸形に開き、内面に金銀の箔を置いた楽茶碗。縁起を祝う茶事に重ね茶碗として用いる」
表千家七代如心斎が最初に好まれ、楽家七代長入作の赤楽茶碗を本歌としています。
なぜか表千家の初釜に島台は使われず、裏千家では必ず使われているとのことです。
裏千家では玄々斎好みの楽家十一代慶入作の三都(さんと)という3つの楽茶碗を重ねた島台を使うことがあり、
三都とは都・吾妻・浪花(みやこ・あづま・なにわ)を指しています。
お持ち出しくださった島台茶碗は、玄々斎お好みの銘「鶴亀(だったような?)」(本歌は長入作)を慶入が写したもので、
金銀の箔のある赤楽茶碗、六角形の高台が亀を表わしています。
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茶入、茶杓、仕覆、薄器を拝見させて頂きました。
茶入は遠州七窯の一つ、膳所焼の広口茶入、仕覆も素敵で気になっていました。
渋く金が残る古金襴と吉野間道の古裂で片身代りの仕立て、裏地はカピタン裂です。
玄々斎手づくりの茶杓・銘「花箙(はなえびら)」と再会できて感無量でした・・・。
薄器は、坐忘斎御家元好みの「都る亀」(つるかめ)棗(近左作)です。
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裏千家のつぼつぼ紋 (ピンボケですが・・)
濃茶の後は員茶之式、S先生も参加され全員で薄茶を頂き、点前をしました。
いつもの十種香札ではなく、Iさんがお持ち出しくださった俳聖かるたを使いました。
初釜らしい華やかな晴れ着で点前座へ座る、お一人お一人の薄茶点前にうっとりしていると、
詠み手の美しい声がBGMみたいに響きます。
「(なんて素敵な初釜なんだろう・・・なんて平和で幸せなひと時なんだろう・・・)」
みんな心の中でそんな思いを噛みしめていたに違いありません。
紅白の豆菓子が京都・吉田神社の福桝に入れられ、魚河岸銘茶という香ばしい薄茶が新鮮でした。
員茶之式で、お隣のIBさんに薄茶を運んで頂いたりしながらも何とかお点前が出来て良かった・・・・(ほっ!)
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S先生、皆さま、どうぞ本年も宜しくお導き下さいませ。
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