ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

秩父市の荒川地区ではミズバショウが見ごろになっています

2011年04月24日 | 季節の移ろい
 埼玉県秩父市の荒川地区は奥秩父の入り口に当たる、山村の面影を残すひなびたところです。旧荒川村の荒川地区は秩父の山々に囲まれているため、ミズバショウやカタクリ、ニリンソなどの野草が咲く山村です。秩父鉄道の武州日野駅近くのある水芭蕉園を訪ねました。

 水芭蕉園は山間(やまあい)と平地の境に設けられています。社団法人秩父観光協会の荒川支部が地主から土地を借りて、ミズバショウを保護し、増やしているそうです。木道を設け、ミズバショウの株を保護しています。

 ミズバショウはちょうど見ごろでした。



 

 ミズバショウの株の間をゆっくりと流れる清水にはトノサマガエルのオタマジャクシが多数、泳いでいます。

 現在はミズバショウを2300株まで増やしたそうです。種をつけさせ、一部は株分けするなど、人間が手を入れないと、増えないそうです。山の端からの湧き水も枯れかけているため、山の上から谷川の冷たい清水を引いています。この水は、水芭蕉園のすぐ下にある花蓮園にも引いています。

 水芭蕉園の背景になっている山里部分は、ヤマザクラの花がかなり散って、葉が出ています。木々の新芽が鮮やかな若緑色になっています。



 今回の本当のお目当てはカタクリでした。この水芭蕉園のすぐ背景にそびえる弟富士山(おとふじさん)の斜面のカタクリは「先週で咲き終わった」と、秩父観光協会の方が教えてくれました。

 もう少し山奥にある“大塚カタクリの里”では「まだ咲いているかも」と伺い、杉林の中を登ってみました。山道の入り口には、イノシシなどが里に下りてこないように門が設けてあり、ここを開けて入ります。杉林の中の小川沿いに遊歩道が設けられており、この遊歩道の急斜面を登りました。大塚カタクリの里は杉林の中に切り開かれた急斜面に、約1万株のカタクリが生えています。残念ながら、花は終わってしぼんでいました。しぼみかかった1株だけが何とか花を感じさせるものでした。



 秩父鉄道の武州日野駅近くはリンゴ園を営む農家が多いとのことです。各農家はハナモモの木を植えている方が多く、農道沿いは華やかでした。



 この旧荒川村の荒川地区は、明治時代までは養蚕が盛んでクワを植えた農家が多かったそうです。その後、養蚕の不振によって一時は寂れかけた村では、ソバを植えて“ソバの里”による観光事業やリンゴなどの果樹の農業に乗り出したのだそうです。山奥でも、産業振興策によるイノベーションが不可欠です。