山口大学とコクヨS&T(大阪市)が共同開発した「リサーチラボノート」のエントリーモデルをいただきました。両者は2005年に日本国内向けに「リサーチラボノート」のユニバーサルモデルを共同開発し、コクヨが販売しました。その共同研究相手の山口大学知的財産部門からエントリーモデルを頂戴しましや(以前には、ユニバーサルモデルも頂戴しています)。
このユニバーサルモデルに対して、「もう少し安価なリサーチラボノートがほしい」という研究開発者などユーザーの意見を反映させて発売したのが、今回のエントリーモデルです。2011年2月に発売されました。
エントリーモデルは本体が100ページで希望小売価格480円(本体)です(これに消費税がかかると同504円になります)。これに対して、ユニバーサルモデルのスタンダード版は本体152ページで同1400円です。ハード表紙版は本体152ページで同2800円です。
「リサーチラボノート」とは、“研究ノート”などとも呼ばれる研究記録用ノートです。この研究ノートが重視されるようになった理由は、特許を権利化する際の証拠になるからです。この“証拠”とは、特に米国で特許を獲得するために必要不可欠となる点がややこしい話になっています。
国際的に研究開発競争が激しくなっている現在、研究開発成果を特許として権利化することがどんどん重要になっています。この場合に問題になるのが、米国で特許を獲得するには、当該特許の基になる“発明”を、いつしたのかを証明する研究記録用ノートでの研究記録が必要になることです。米国での特許などの知的財産の係争などに使えるようにするには、法的に証明する仕組みが必要です。研究開発の同僚や上司などが、研究開発者本院がその研究記録を書き込んだことを、その時点でサインして認証することで、発明時期を証明する仕組みになっています。
現在、米国だけが「先発明主義」という特許の審査制度を唯一、採用しています。日本や欧州などの他の国は、特許の出願書類を先に出した方に、当該特許の権利を与える先出願主義を採用しています。この結果、米国では、特許出願の書類を先に出したからといって、そのままでは特許の権利を獲得できるとは限りません。ほぼ同様の発明内容の特許出願書類が他人・他機関から提出されると、研究記録用ノートによって誰が最初に発明をしたのかを、証明する必要があるからです。
米国の市場は巨大で、かつ米国市場での製品化は国際市場への影響も大きいケースが多いために、新製品開発には欠かせない市場です。このため、日本で研究開発を行っても、米国でその研究開発成果を特許化するには、特許係争に備えて研究記録用ノートに発明した日を、法的に使えるように記録する必要があります(実は、米国でも国際的に標準になっている先願主義に移行するとの発表が何回かありましたが、実態はまったく進んでいません)。
このために、研究記録用ノートは各ページを後で入れ替えられないように、糸がかりで綴じる工夫が重要です。各ページの入れ替えができないようにしっかり綴じられています。また、表紙は耐薬品性や耐水性などに優れた耐久性を持たせています。これが、ユニバーサルモデルが高価になる理由です。本体の髪質もペンやボールペンで書きやすいものになっています。
これに対して、今回、コクヨが新発売したエントリーモデルは無線綴じという比較的安価な綴じ方を採用しています。各ページに書いた記録した文字が裏抜けしないように工夫されています。このエントリーモデルは安価なので、大学の学生などが研究記録用ノートを使う習慣をつけるのに適しています。
最近は、大学と企業が共同開発するケースも増えています。数年後に共同研究成果を基に特許出願をした際に、その特許の権利の持ち分を決める際に、お互いの研究記録用ノートが法的な証拠になるケースも増えています。今後、都的財産戦略が国内・国外でも一層重要になります。この点では、研究記録用ノートの出番が増えるという見通しが高まっています。
日本は知財立国を目指しています。この点では研究記録用ノートをつける習慣が大切です。4月は、大学や公的研究機関、企業などで新しい研究開発テーマが始める節目の時期です。研究記録用ノートについて、学ぶ重要性が高まっています。
このユニバーサルモデルに対して、「もう少し安価なリサーチラボノートがほしい」という研究開発者などユーザーの意見を反映させて発売したのが、今回のエントリーモデルです。2011年2月に発売されました。
エントリーモデルは本体が100ページで希望小売価格480円(本体)です(これに消費税がかかると同504円になります)。これに対して、ユニバーサルモデルのスタンダード版は本体152ページで同1400円です。ハード表紙版は本体152ページで同2800円です。
「リサーチラボノート」とは、“研究ノート”などとも呼ばれる研究記録用ノートです。この研究ノートが重視されるようになった理由は、特許を権利化する際の証拠になるからです。この“証拠”とは、特に米国で特許を獲得するために必要不可欠となる点がややこしい話になっています。
国際的に研究開発競争が激しくなっている現在、研究開発成果を特許として権利化することがどんどん重要になっています。この場合に問題になるのが、米国で特許を獲得するには、当該特許の基になる“発明”を、いつしたのかを証明する研究記録用ノートでの研究記録が必要になることです。米国での特許などの知的財産の係争などに使えるようにするには、法的に証明する仕組みが必要です。研究開発の同僚や上司などが、研究開発者本院がその研究記録を書き込んだことを、その時点でサインして認証することで、発明時期を証明する仕組みになっています。
現在、米国だけが「先発明主義」という特許の審査制度を唯一、採用しています。日本や欧州などの他の国は、特許の出願書類を先に出した方に、当該特許の権利を与える先出願主義を採用しています。この結果、米国では、特許出願の書類を先に出したからといって、そのままでは特許の権利を獲得できるとは限りません。ほぼ同様の発明内容の特許出願書類が他人・他機関から提出されると、研究記録用ノートによって誰が最初に発明をしたのかを、証明する必要があるからです。
米国の市場は巨大で、かつ米国市場での製品化は国際市場への影響も大きいケースが多いために、新製品開発には欠かせない市場です。このため、日本で研究開発を行っても、米国でその研究開発成果を特許化するには、特許係争に備えて研究記録用ノートに発明した日を、法的に使えるように記録する必要があります(実は、米国でも国際的に標準になっている先願主義に移行するとの発表が何回かありましたが、実態はまったく進んでいません)。
このために、研究記録用ノートは各ページを後で入れ替えられないように、糸がかりで綴じる工夫が重要です。各ページの入れ替えができないようにしっかり綴じられています。また、表紙は耐薬品性や耐水性などに優れた耐久性を持たせています。これが、ユニバーサルモデルが高価になる理由です。本体の髪質もペンやボールペンで書きやすいものになっています。
これに対して、今回、コクヨが新発売したエントリーモデルは無線綴じという比較的安価な綴じ方を採用しています。各ページに書いた記録した文字が裏抜けしないように工夫されています。このエントリーモデルは安価なので、大学の学生などが研究記録用ノートを使う習慣をつけるのに適しています。
最近は、大学と企業が共同開発するケースも増えています。数年後に共同研究成果を基に特許出願をした際に、その特許の権利の持ち分を決める際に、お互いの研究記録用ノートが法的な証拠になるケースも増えています。今後、都的財産戦略が国内・国外でも一層重要になります。この点では、研究記録用ノートの出番が増えるという見通しが高まっています。
日本は知財立国を目指しています。この点では研究記録用ノートをつける習慣が大切です。4月は、大学や公的研究機関、企業などで新しい研究開発テーマが始める節目の時期です。研究記録用ノートについて、学ぶ重要性が高まっています。