ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

敷居が高いといわれる東京大学の研究所の公開日が近づいています

2011年05月19日 | イノベーション
 東京大学の駒場リサーチキャンパスは、6月3日土曜日と4日日曜日の2日間に「駒場リサーチキャンパス公開」を開催します。研究室の最新の研究成果などを、一般の方々に説明するのが公開の目的です。

 東大の教員以外の部外者の方々に、最近の研究開発成果を知ってもらって、社会に役立つ可能性を評価してもらうことを期待しているようです。





 「部外者」の中には、中学生や高校生などが含まれています。中学生や高校生などの未来の大学入学候補者に対して、各研究室の最新の研究開発成果を分かりやすく紹介し、東京大への入学希望の意志を高めてもらいたいとの意図があります。高校生の“理科離れ”対策になっています(理科系以外の研究室もありますが)。成績優秀者の中学生や高校生などに、理科系の研究室で体験できる“面白いこと”を伝えたいと、教員一同は願っているようです。

 同時に、企業などにお務めの方々に来場していただき、各研究室の研究開発成果の“成果物”を実際に目にしてもらい、その研究開発成果の技術移転先としての可能性を話し合いたいという思惑もあります。駒場リサーチキャンパス公開では、生産技術研究所と先端科学技術研究センターなどの研究室の研究開発成果を見ることができます。

 東京大を含めて、各大学・大学院の教員の方々とお話しすると、「企業などの方から、大学の研究室は敷居が高く、技術相談に行きにくいとよく指摘される」と伺います。実際には、大手企業の方々は、大学の専攻などの先輩・後輩の人脈などの関係を使って、大学・大学院の各研究室に出入りしています。他専攻の研究室も、先輩・後輩の関係の人脈を利用して、紹介してもらうことで、研究室の敷居を下げています。

 これに対して、中小企業などに勤務する方々は、先輩・後輩の人脈を持っていないケースが多く、「一見(いちげん)さんには研究室の敷居が高い」という印象が強くなるようです。大学・大学院の教員の方も、まったく面識が無い方と、いきなりお目にかかるのは苦手のようです。

 この点を考えると、東京大の駒場リサーチキャンパス公開の機会を利用し、各研究室の最近の研究開発成果を知ることは、自分の仕事に関連する大学教員を見つけ出すチャンスです。大学教員と話をすることで、自分の仕事の中身となる根本的な原理原則から再検証する好機になると思います。

 東京大以外でも、オープンキャンパスによる研究室の最新の研究開発成果を公開することを実施しています。お近くの大学のオープンキャンパスにたまには行って、最新の研究開発成果に触れることは、何かの縁ができる可能性があります。

 東京大の駒場リサーチキャンパス公開では、企業にお勤めの方が精力的に各研究室の前に展示された研究開発成果を見ています。こうした日ごろの努力が何かを生み出すものです。