ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

岐阜県中津川市で購入した名物の「からすみ」を味わいました

2013年11月28日 | グルメ
 岐阜県中津川市のJR中津川駅近くで購入した「からすみ」を味わいました。

 先日、岐阜県中津川市のJR中津川駅近くを歩いている時に、電柱の看板の中に「中津川のからすみ」という表示があるのをを見つけ、海岸線から遠い中津川市でも「からすみ」が名物になっているのかと思いました。

 海から遠い山梨県甲府市には、「アワビの煮貝」という名物があります。冷凍技術がなかった江戸時代に、静岡県の伊豆で採れる生のアワビを、しょう油と一緒に樽に入れて、馬の荷として甲府市などに運ぶ過程で、程よい味付けとなった“煮”アワビになり、甲州名物になっています。

 中津川市でも、同様の仕組みで、沿岸部で採れるボラの卵巣を塩漬けにして運ぶ内に、程よい味になったものではないかと想像していました。

 JR中津川駅近くにある、にぎわい物産館で、この「からすみ」を見つけました。中津川市の「からすみ」は、コメの粉を加工した和菓子です。今回は、にぎわい物産館で売られていた波多野製菓という和菓子屋のものを購入しました。

 棒状の細長い、名古屋市などで販売されている「ういろう」に似た和菓子です。特徴は、上部に設けられた、波状の凹凸です。棒状の「からすみ」を切ると、その断面が“富士山”のような山に似た形になる点が、伝統の技になっているそうです。



 このコメの粉などを加工した「からすみ」は、少し硬い「ういろう」といった感じの食感です。今回、買った「からすみ」はクルミの粒が入っているものです。山に似た形は木型に入れて、押して成形しているそうです。

 この和菓子の「からすみ」は、ボラの卵巣を塩漬けにした本家の「カラスミ」(唐墨)にあやかって名称をつけたとのことです。

 海岸で採れたボラの卵巣を塩漬けして加工した「からすみ」を味わった、昔の中津川市の方々は、3月3日の桃の節句に、子宝の象徴としての縁起物であるカラスミを供えたいと思いました。しかし、海岸線から遠い中津川市周辺では、叶わぬことだったので、その形を似せて、コメの粉から和菓子の「からすみ」をつくって、供えたとのことです。

 江戸時代などは、海から遠い地方は、物流の仕方に制限があり、海産物は“高嶺の花”だったようです。中津川市で購入した「からすみ」は近くの恵那市などでもつくられているそうです。

 現在は、物流手段が発達し、多種多様な食材を食べることができます。豊富な食材に感謝しつつ、素朴な味の和菓子の「からすみ」を味わいました。