2015年2月2日に発行された日本経済新聞紙の中面に掲載された見出し「特許乱用 日米で包囲網 悪質な事業者に待った ドコモは訴訟で先手」を拝読しました。
米国などに多い“パテントトロール”と呼ばれる、現状の特許制度を駆使してライセンス使用料や賠償金目的の訴訟を起こす事業者なども活動に歯止めをかける動きを報じた記事です。ここまでだと、特許などの知的財産にあまり馴染みのない方にはよく分からないと思いますが、特許制度を悪用する“ごろつき”企業の話です。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では「特許乱用 日米で包囲網 ドコモは訴訟で先手」という見出しで報じています。

米国デラウエア州に拠点を置くMPHJテクノロジー・インベストメントという企業の傘下の同企業は、全米各地の中小企業1万6000社以上に「貴社は我々が所有する特許を侵害している疑いがある」という内容の手紙を送りつけました。
この当該企業は、MPHJテクノロジー・インベストメントが持つ1000社以上のペーパーカンパニーです。いろいろ企業などからいろいろな特許を1米ドル程度と安価に買取り、所有したうえで、いろいろな中小企業に警告状を送りつけます。この警告状を放置していると、テキサス州の法律事務所名で訴状の草案が添付された手紙が届きます。
この警告状が示す当該特許の内容はあいまいな内容で、裁判に時間がかかるものです。米国ではMPHJテクノロジー・インベストメント傘下の当該企業のように、外部から買い集めた特許を用いて、特許権を行使すると伝える企業をPAE(パテント・アサーション・エンティティ=Patent Assertion Entity)と呼ばれています。米国ではPAEが提起する訴訟の割合は、2006年から2010年の間は約30パーセント以下でしたが、2011年には45パーセント、2012年には60パーセントと急増しています
こうした事態が増えたことから、米連邦取引委員会(FTC)は、悪質なPAE業者の動きに歯止めをかける措置を取り始めています。日本の独占禁止法の一部に相当するFTC法違反の疑いで調査を始めています。たとえば、警告状を送りつけながら、実際には1件も提訴していない行為をした事業者には、2014年11月に「相手をだますような行為を止める」ように同意命令を出したそうです。
このMPHJテクノロジー・インベストメントは小規模PAEです。これに対して大規模PAEという手強い企業の代表格はドイツのアイピーコムです。
このアイピーコムは通信事業から撤退したドイツのボッシュから通信系の特許を買取った“質の高い特許”を武器に、日本のイー・アクセス(現在はワイモバイル)を何度も提訴しています。そして、同社は日本のNTTドコモを標的にします。
NTTドコモは「訴訟は避けられない」と判断し、逆にアイピーコムを相手取って「特許権侵害をしていない」ことの確証を求める訴訟を、東京地裁に起こしています。
日本や米国では、特許制度を悪用する事業者に対して、その不正な行動を抑制する動きを始めています。知的財産を悪用する事業者は技術の進歩の障害です。
米国などに多い“パテントトロール”と呼ばれる、現状の特許制度を駆使してライセンス使用料や賠償金目的の訴訟を起こす事業者なども活動に歯止めをかける動きを報じた記事です。ここまでだと、特許などの知的財産にあまり馴染みのない方にはよく分からないと思いますが、特許制度を悪用する“ごろつき”企業の話です。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では「特許乱用 日米で包囲網 ドコモは訴訟で先手」という見出しで報じています。

米国デラウエア州に拠点を置くMPHJテクノロジー・インベストメントという企業の傘下の同企業は、全米各地の中小企業1万6000社以上に「貴社は我々が所有する特許を侵害している疑いがある」という内容の手紙を送りつけました。
この当該企業は、MPHJテクノロジー・インベストメントが持つ1000社以上のペーパーカンパニーです。いろいろ企業などからいろいろな特許を1米ドル程度と安価に買取り、所有したうえで、いろいろな中小企業に警告状を送りつけます。この警告状を放置していると、テキサス州の法律事務所名で訴状の草案が添付された手紙が届きます。
この警告状が示す当該特許の内容はあいまいな内容で、裁判に時間がかかるものです。米国ではMPHJテクノロジー・インベストメント傘下の当該企業のように、外部から買い集めた特許を用いて、特許権を行使すると伝える企業をPAE(パテント・アサーション・エンティティ=Patent Assertion Entity)と呼ばれています。米国ではPAEが提起する訴訟の割合は、2006年から2010年の間は約30パーセント以下でしたが、2011年には45パーセント、2012年には60パーセントと急増しています
こうした事態が増えたことから、米連邦取引委員会(FTC)は、悪質なPAE業者の動きに歯止めをかける措置を取り始めています。日本の独占禁止法の一部に相当するFTC法違反の疑いで調査を始めています。たとえば、警告状を送りつけながら、実際には1件も提訴していない行為をした事業者には、2014年11月に「相手をだますような行為を止める」ように同意命令を出したそうです。
このMPHJテクノロジー・インベストメントは小規模PAEです。これに対して大規模PAEという手強い企業の代表格はドイツのアイピーコムです。
このアイピーコムは通信事業から撤退したドイツのボッシュから通信系の特許を買取った“質の高い特許”を武器に、日本のイー・アクセス(現在はワイモバイル)を何度も提訴しています。そして、同社は日本のNTTドコモを標的にします。
NTTドコモは「訴訟は避けられない」と判断し、逆にアイピーコムを相手取って「特許権侵害をしていない」ことの確証を求める訴訟を、東京地裁に起こしています。
日本や米国では、特許制度を悪用する事業者に対して、その不正な行動を抑制する動きを始めています。知的財産を悪用する事業者は技術の進歩の障害です。