新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月1日 その2 私とジャズ

2021-12-01 10:28:05 | コラム
スイングジャーナル誌の1988年12月号が出てきた:

別に「断捨離」とやらを試みた訳でもないが、思わぬ所からこの2010年の7月号を以て休刊した嘗ての愛読誌が出てきた。私は確かにジャズファンではあったが、戦災で焼失した東京市小石川区の家に住んでいた小学校3年までは、母親の影響があってクラシカルの音楽だけを聴いていたものだった。だから、未だに椿姫だのカルメンだの何だのの曲を覚えているのだ。それが戦後に級友の影響もあってジャズを聴きだしてのめり込み、1972年にアメリカの会社に転進してからは一層深入りしていた。

だが、2006年1月に一度目の心筋梗塞で入院した際に、長い付き合いでお世話になっていた紙業タイムス社のH編集長から「これを聞いて早く治って下さい」とお見舞いに頂戴したモーツァルトの10枚組のCDを何とか体を動かして聞き続けている間に、国立国際医療研究センター循環器内科の素晴らしい処置と相まって、何と19日の入院で回復できたのだった。それ以降はアッサリと再びというか何というか、クラシカル音楽に舞い戻って、PCで作業中のBGMはただ今聴いているようにショパンやモーツァルト等々が主力になってしまったのだった。

そういう具合だったから、スイングジャーナル誌を何時まで定期購入していたかの記憶も薄れたし、僅か1冊でも保管してあったことなど忘れていた。そこで、昨日から読み直しているのだが、この号の言わば特集記事に「60年代のBEST 10」というのがあった。意外だったことは「ジャズのアルバムは50~60年代が最も優れていた」と唱えていたはずだったにも拘わらず、購入してまで聴いた覚えがあったのは2枚だけだったのだ。そこで、参考までに第1から引用して行ってみよう。

第1位はコルトレーンの「至上の愛」即ち“Love Supreme“だった。この盤は先日も回顧したオザワレコードでは「買っても聞きませんよ」と売ってくれなかったものだった。だが、買って1回聴いて止めた。第2位はハービー・ハンコックの「処女航海」で聴いたこともなかった。第3位はマイルス・デイビスの「ESP」で聴いたこともなかった。第4位はビル・エバンスの「モントルージャズフェテイバル」だが、何故か買っていなかった。第5位はオーネット・コールマンの「ゴールデンサークル」で、買ってなかったが聴いてはいた。

第6位は矢張りオザワレコードが売らないと言ったマイルス・デイビスの「ビッッチェズ・ブリュー」だから、聴いたこともなかった。第7位はチャーリー・ヘイデンだからアルバム名を挙げるまでもなく聴いてもいないが「リベレーション・ミュージック・オーケストラ」。第8位はリー・モーガンの「サイド・ワインダー」で、これは聴いてはいたが、買ったのはCD。第9位はスタン・ゲッツの「ゲッツ~ジルベルト」だが、聴いたことはあった。第10位は「ミンガス・プリゼンツ・ミンガス」で、ミンンガスは聴いたことがなかった。


という具合で、自分でも意外な結果で聴いたことはあっても買わなかった盤ばかりだった。ということは、スイングジャーナル誌御用達の評論家の先生方と、私の好みは一致していなかったと言うことかなと、あらためて痛感している。視点を変えれば、オザワレコードの末村氏の好みに影響されたという事になるのか。



コメントを投稿