『古譚』の二つ目「木乃伊(ミイラ)」の紹介です。
紀元前500年よりも昔、ペルシャが、エジプトに親友したころの話。武将のパリスカスが主人公。パリスカスはしらないはずのエジプト人の言葉がわかるような気がする。ある墓所の探索に加わったとき、とある木乃伊の顔に視線が止まる。さして長い時間視線が釘付けになる。そして「俺は、もと、此の木乃伊だったんだよ。たしかに。」とつぶやく。それと同時にミイラが生きていたところの記憶が蘇ってくる。言葉は思い出せないが、映像のように記憶が蘇るのである。そして前世の自分が今の自分と同じように前前世の自分と出会ったことを想像し、さらに前前世の自分が前々前世の自分とであることを想像する。
パリスカスは考える。「合わせ鏡のように、無限に内に畳まれて行く不気味な記憶の連続が、無限にー目くるめくばかり無限に続いているのではないか?」
ミイラを抱いたまま気を失い、発見され息を吹き返したとき、パリスカスはエジプト語のうわ言をつぶやいていた。
ここには言葉と記憶の問題、言葉と伝承の問題、消え去った言葉の問題など言葉に関するテーマが襲い掛かるように描かれています。
すべてが整理がつかないまま、不思議な世界に我々を連れていきます。
紀元前500年よりも昔、ペルシャが、エジプトに親友したころの話。武将のパリスカスが主人公。パリスカスはしらないはずのエジプト人の言葉がわかるような気がする。ある墓所の探索に加わったとき、とある木乃伊の顔に視線が止まる。さして長い時間視線が釘付けになる。そして「俺は、もと、此の木乃伊だったんだよ。たしかに。」とつぶやく。それと同時にミイラが生きていたところの記憶が蘇ってくる。言葉は思い出せないが、映像のように記憶が蘇るのである。そして前世の自分が今の自分と同じように前前世の自分と出会ったことを想像し、さらに前前世の自分が前々前世の自分とであることを想像する。
パリスカスは考える。「合わせ鏡のように、無限に内に畳まれて行く不気味な記憶の連続が、無限にー目くるめくばかり無限に続いているのではないか?」
ミイラを抱いたまま気を失い、発見され息を吹き返したとき、パリスカスはエジプト語のうわ言をつぶやいていた。
ここには言葉と記憶の問題、言葉と伝承の問題、消え去った言葉の問題など言葉に関するテーマが襲い掛かるように描かれています。
すべてが整理がつかないまま、不思議な世界に我々を連れていきます。