とにかく書いておかないと

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破綻している高校国語教育5 高校国語の現状4 「現代文B」

2017-01-10 07:53:15 | 高校国語改革
【現代文B】
 主に2、3年生で「現代文B」という科目を勉強します。年配の人は「現代国語」といっていた科目とほぼ同じと思っていいと思います。私はこの「現代文B」が一番大きな課題を抱えていると思います。その課題は次の3点。1点目は評論文が難解すぎる。しかも、論理的に問題がある文章が採用されているという点。2点目は小説も評論も定番がずっと変わらずに採用されているという点。3点目は表現分野が基本的に無視されているという点。以上の3点です。

 それぞれについて後で詳しく述べていきたいと考えていますが、3点目について、他に「国語表現」という科目があるのだから、「現代文B」では必要がないのではないかという意見があるかもしれません。そこで文部科学省がどのように言っているかを見ておきましょう。
 
 平成22年6月に公表された文部科学省の学習指導要領解説の中の「各科目の要点」では「現代文B」について次のように書かれています。

・ これまでの「現代文」の内容を改善し,近代以降の様々な文章を的確に理解し,適切に表現する能力を高めるとともに,ものの見方,感じ方,考え方を深め,進んで読書することによって,国語の向上を図る態度や人生を豊かにする態度を育成するなど,読むことを中心としつつも総合的な言語能力を育成することをねらいとした選択科目である。目標に,適切に表現する能力を高めることと,国語の向上を図る態度を育てることとを新たに加えている。
・ 文章を批評することを通して考えを深め,発展させること,目的や課題に応じて情報を分析、整理して資料を作成し,自分の考えを効果的に表現することなどを重視している。
・ 文章を読んで,人物の生き方や表現の仕方について話し合う,課題について調べたことを報告書や論文集に編集するなどの言語活動を例示している。
・ 教材は,論理的な文章や文学的な文章をはじめ,現代の社会生活で必要となる実用的な文章も取り上げることとしている。

 あきらかに「現代文B」においても表現することが必要とされています。しかし、現実にはほとんど行われていないのが実情なのです。
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