とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「大学入学共通テスト」マークシート問題モデル問題例1

2017-07-21 10:37:10 | 高校国語改革
 平成29年7月に大学入試センターから発表されたマークシート問題のモデル問題例についての感想を述べる。今回は例1について。

 例1の問題は短歌について書かれた二つの評論を読んで答える問題と、その評論を読んだ生徒が他の短歌を鑑賞している会話から出題した問題である。全体的に言えば大きな改善の見られる問題だと考えている。

 良い点について述べる。

1点目。センター試験では第1問が評論が出題されて、その評論がどんどん長文化し、難解になってきていて、もはや国語の読解の枠を超えていることが大きな問題であった。それについて例1の問題は改善されている。

2点目。短歌を題材とすることによって、国語の授業の中で近年軽視されつつあった詩歌についての重要性を再確認するきっかけとなっている。表現への意識も高くなるであろう。この点も評価できる。

3点目。さまざまな文章を挙げ、その中から必要な情報を見つけ出す能力、つまり情報収集能力を育てようとしているのが見え、問5のⅱの問題はいい出題だと思われる。

あまり良いと思われない点を述べる。

1点目。この問題を解くときにあまり論理性が必要とされないような気がする。ここでいう論理性というのは文章における論理展開という意味での論理性である。確かに文章である以上、その根本に論理があり、この例1の問題もその論理によって出題されてはいる。しかし、今日の言語活動を重視するという視点においては、接続詞や論理展開、根拠と意見などの目に見える論理を意識させる必要がある。その観点の出題が見られないのだ。

2点目。言語活動を推進するために生徒の会話を問題に入れているのだが、これと言語活動が結びつくとは考えられない。会話がリアリティがなさすぎるのだ。出題のための会話にしかなっていない。

3点目。「評価することのをねらいとする能力について」に記載されている、「テキストを構造化する力」というのはどういうものか分からない。この例1の問題でそれが問われていたのだろうか。

さっと見ての感想なので、自信をもって意見を表明しているわけではないが、今後、さまざまな意見を参考にしながら、もっと深く考え、必要に応じて意見を修正していきたい。そして国語の改革について少しでも貢献していきたいと考えている。
コメント
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