話題になっていた歌舞伎『風の谷のナウシカ』は昨年の12月に新橋演舞場で上演しました。それをディレイ・ヴューイングと題して映画館で2か月後に映像で公開しました。その前編を見てきました。正直言ってひどい。全くおもしろくありませんでした。
何が悪いのか。これは演劇ではない。役者が出てきて説明的なセリフを言って場面転換。その繰り返しだけなのです。立ち回りや、宙乗り、人形や子役などおもしろい要素は取り入れていますが、ドラマがどこにもない。これはひどいと思いました。
さらに気になったのは、きちんとした批評がどこにもないということです。新作なのでまだ未熟な部分もあるだろうから 私は見るべきか見ないほうがいいかを迷って、インターネットで評判を見ていたのですが、みんな褒めていていました。批判している人など誰もいません。きちんと批判している人がいたら見なかったはずなのに誰もいないのです。こんな芝居を手放しでほめる文化も私には理解できません。きちんと評価を与えるべき評論家が逃げてしまっているのです。
おそらくこんなことを書くと、また批判を受けてしまうでしょう。評価なんて人それぞれだから悪口なんか言うなと。だから賢い人間ならば言わないでおくのでしょう。しかしそれが贔屓の引き倒しです。ダメなものはダメとはっきりと言うべきだと思います。シネマ歌舞伎でさえ、4300円という高額の料金を取るのです。この映画がおもしろくないという意見もちゃんと表明しておかなければいけないと思います。
海老蔵の「六本木歌舞伎」でも感じたのですが、若い優秀な歌舞伎俳優がいろいろとやってみることはいいことだと思います。しかし失敗作には厳しい評価を与えないといけません。それが文化を育てることです。
菊之助も七之助も有能な役者です。というよりもこの芝居に出ていた役者は役者としてはみんなすばらしい演技をしてました。しかし演技以前の部分で成立していなかったと思います。これを土台にして、もう一度作り直し、後世に残す芝居に作り上げていくことを期待します。
クローズアップ現代+で
「追跡! ネット通販 やらせレビュー」のを放送していましたね。
↓
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4335/
あれ以来私は、インターネットで口コミを信じなくなりました。
masasammさんのご意見に全く同感です。先般「ナウシカ誕生~尾上菊之助が挑んだ新作歌舞伎~」というEテレの密着ドキュメントを見ましたが、ナマの舞台を見てみたいという気は全く起こりませんでした。メディアも提灯持ちのような話が多く、普段からあまり信用していません。新しい顧客開拓のために新しい発想やアイディアで創造することは一向に構わないと思うのですが、面白くないものは面白くないとハッキリ言うべきだと思います。そうしないと真の芸能は育たないと思っています。
他人を批判することは勇気のいることですが、賛同していただき安堵しています。
私は、、本公演&シネマ歌舞伎版ではなく、
NHKBSプレミアムで見ました…
(本当は、ライブで見たかっです…)
おそらく、映画館で上映された物と同じだと
思います…
私は、宮崎駿さんやスタジオジブリのでファン
で、無論、原作漫画連載時もほぼリアルタイムで
すべて読みましたし単行本も全巻持っています…
皆さん『歌舞伎にすべきではなかった…ガッカリ
した…」と書かれている様ですが、これは、監督
ご自身でアニメ版を作られているのでそれと、
比較されているのでは無いのかなと思います…
ただ、(歌舞伎に関して私は素人なので、その辺の
良し悪しはわかりませんが)私も「予備知識として
原作を頭に入れて置かないと正直キツいかなぁ…」
とは見ていて思いましたけどね。
話は変わりますが、
この『風の谷のナウシカ』…実は、原作終了直後から、
舞台化やアメリカのメジャー映画社から実写版
オファーがありつつも全て宮崎監督がゴーサイ
ンを出さなかったと言う話はファンの間では広く
知ららていた話です…(舞台化会見でジブリ側
の鈴木敏夫Pも言及されていましたね…)
ETV特集のメイキング版でナウシカを演じられた
尾上菊之助(公演時)もスタッフミーティングングで、
『(あのの漫画を)台本におこすのは奇跡に近い。』と
感嘆していましたが、正直言って私もこの話を聞いて
無謀だと思いました(因みに、ジブリ側の当初反応も同じだったみたいです…)
元台本も過去にジブリ映画の脚本にも参加されてい
た丹羽圭子さんが担当されているので、時間的制約か
ら割愛されたり状況設定がアレンジされてはいました
が、ほぼ原作通りの物語展開になっていました…
私は歌舞伎と映画と両方とも見ました。映画は酷かったのですが、歌舞伎は素晴らしいものでした。迫力があり、演出もなかなか考えられたもので、見ている間に心が震えました。もう一度、やるならば必ず見に行きます。Bunkamuraの串田和美さんの演出の歌舞伎が斬新なのでなかなか面白いのですが、それとは切り口の違う、新しい形の歌舞伎でした。
今まで見た歌舞伎の私の5本指に入ります。とにかくかっこよかった❤︎チケットはプラチナチケットでしたので、私の前の席のジャニーズのあるグループの方々は一幕づつシェアしてメンバー交代して見ておられました。本当はダメだと思いますが、芸能界にコネクションのある方が、チケットが取れなかったんだとビックリしました。
歌舞伎の映画化は、映画を前提として撮る(当然かなり大変)あらかじめ、いろんなシーンを通し稽古の時に撮っておいたり、大がかりな編集が必要になります。なので、この映画の方は記録用に撮ったものを上映したのだと言う感想でした。多分、物凄い金額をジブリ事務所にお支払いされていて、予算は無いのかと思います。
それと、ジブリ側からの制約がある様です。なのでナウシカのパンフレットも全て、他の舞台の衣装写真が役者さんのプロフィールになっていて、買ったもののガッカリしました。買わなければよかったです。
7月歌舞伎はナウシカです。キャストが七之助くんや亀蔵さんが出ないのが残念ですが、私は今回も見に行く予定です。