リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

アジア発のヒット曲

2012-10-15 06:34:38 | オヤジの日記
曲名は知らないのだが、いま英米のヒットチャートを韓国の歌手PSYが賑わしているのだという。

経済分野では、アジア地域の影響力が強いが、文化の面では、欧米の影響力は世界を凌駕している。
これは、欧米の植民地だったところに、欧米列強が文化を埋め込んだからだろう。

だから、支配されていた側のアジア地域の文化が、欧米に影響力を及ぼすことは、今まで数えるほどしかなかった。
それは、侵略する側が蹂躙するのは、土地や人民だけでなく、文化も含んでいるからではないだろうか。

今回、PSYの曲が欧米社会に広まった理由として、世界的に整備されつつあるインターネット環境があると思う。

動画を見て、自分で善し悪しを判断する。

気に入れば、何回でも再生するし、気に入らなければ見ない。
あるいは、再生回数の多さが、口コミ効果を生み、さらに関心と認知率が高くなる。

流行音楽のユーザーの主流は、労働者階級である。
そして、労働者階級のほとんどは、保守的で排他的だから、異質の音楽が入ってくることを嫌う。

日本のように、あらゆるジャンルの音楽を受け入れるという性質は、ほとんどの国が持っていない。

だが、インターネットの普及は、そこに回線さえあれば、映像を見ることができるという恩恵を与えたから、その種の「文化鎖国」が薄れつつある。

もちろん、いまだに根のところでは、保守的、排他的ではあるが、よほど異質すぎるものでなければ、受け入れられることが多くなった。

いま流行っているPSYの曲が、どのようなテイストのものかは知らない。

高校2年の娘は、かなり高度なK-POP通であるが、PSYには興味がなかった。

娘曰く「オジさんだし、何たってルックスが好みじゃない。過去に問題を起こしたことがあるから、いいイメージもない」

だから、まったく聴く気が起きないのだという。
いつも娘に薦められてK-POPを聴いている私は、だから今回だけは聴く機会がない。

自分から積極的に、YouTubeで画像を探して見ようというほどの興味もない。

ただ、アジアの歌手が、世界で認められることに関しては、単純にうれしい。

「欧米の歌手」「英語圏の歌手」ということで、すでにアドバンテージを得ているアメリカ主導のショー・ビジネスの世界は不公平である、といつも思っている。

もちろん、優れた素質を持った歌手は、欧米の方が多いと思う。
どんなに努力しても、その域に到達するのは無理、という唯一無二の才能を持ったアーティストが、欧米社会に少なからずいるというのも事実だ。

ただ、そんな神がかり的な才能を持った歌手は、全体の比率からすれば、1パーセント以下だと思う。

あとは、デビューのときに、「欧米の歌手」「英語圏の歌手」というアドバンテージを利用し、効果的なプロモートを展開して有名になった人が、ほとんどだと私は思っている。

「欧米の歌手」「英語圏の歌手」と「それ以外の言語圏の歌手」との実力差は、そのセールスの差ほど、大きくはない。


今回、PSYの曲がヒットしたことに関して、保守的、排他的な人からは、どうせ韓国特有の民族上げてのプロモーションのおかげだろ、という批判があるという。

確かに、少しは、その側面もあるかもしれないが、それだけでヒットしたのなら、他のK-POPアーティストたちの曲が、もう少しヒットしてもいいのではないか、と私は思うのだ。

韓国内では、他のアーティストも「海外でヒット」という報道をしているかもしれないが、海外チャート上位を駆け上ったのは、PSYが初めてではないだろうか(小さなジャンルのチャートでは、上位に顔を出した歌手はいると聞くが)。

PSYの曲が、ヒットするきっかけを与えたのは、民族上げてのプロモーションかもしれないが、「欧米の歌手」「英語圏の歌手」というアドバンテージを持っていない国の歌手なら、その程度のことをしても私はいいと思っている。

その方法は、決してアンフェアではない。

日本もやればいいし、中国、台湾、シンガポールだって、やっていい。


極端な言い方になるが、民族主義を拠り所にして、他人の成功を妬む人は、インターネットの深い闇に沈んでいる人だ。


たとえ不快に思っている国でも、私は相手の成功は素直に讃える人でありたい。