リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

セキュリティの甘いやつ

2013-07-14 08:07:11 | オヤジの日記
たとえば、まわりに、こんな人はいないだろうか。

「オレさあ、選挙権を持って30年になるけど、一度も投票に行ったことないんだよね」と得意げに言うやつ。
それは、友人の弟の今年50歳になるタカオのことだ。

まるで、選挙に行かないことが偉いかのような、自分が人より一段上に立っているかのような言い方である。

「昔はよかったね。何もかもがよかったよ、本当に。今は、全然ダメ!」
これも、タカオの口癖だ。

「俺んち、もう何年もクーラーつけてないな。扇風機だけで夏を過ごしてる俺って、エコだよな」
これもタカオだ。

「俺んち、テレビはあるけど、最近はほとんど見ないんだ。ニュースもドラマもバラエティも全く面白くないよ。『笑点』だけだな、毎週見ているのは。あれは面白いよ。なんで国民栄誉賞をあげないかね。政府は、何を考えているんだろうね」
タカオが、口を尖らせて言う。

「この間、新宿駅の階段を上ったところで、若者が7、8人固まってホームを塞いでいたから、『こんなところで立ち止まっているんじゃねえ、他の人の迷惑だろうが!』って怒鳴ったんだよ。そうしたら、あいつら、おとなしく他の場所に移っていったよ。こう見えても、俺は、むかし毎日喧嘩していたからな。度胸が据わってるんだよ。俺の迫力に怖じ気づいたんだな、あいつら」
鼻を膨らませてイキがるタカオだった。

「ラップって言うの? ヒップホップ? あれって、俺ら世代から見たらお経だよな。お経もなに言っているかわからないけど、ラップもなに言っているか意味不明。自己満足だよ。まあ、音楽なんてのは自己満足だから、俺は流行歌は聴かないけどな。日本のアーティストで尊敬できるのは、美空ひばりだけだよ」
しかし、カラオケでは、尾崎豊氏の歌を熱唱するタカオだった。

「結婚? めんどくせえな! なんで俺が稼いだ金を他人に預けなきゃいけないんだ? 他人を養う義務なんて俺にはないんだよ。だから俺は結婚しないんだ」
見合い相手に、一度断られただけで、女性不信に陥ったタカオだった。

「俺には、インターネットなんか必要ないね。新聞があれば、たいていのことはわかる。ネットなんかやっているのは、ヒマ人だよ」
そんなタカオだが、最近スマホを手に入れたらしい。
しかし、わからないことがあっても、人に聞くのは、彼のプライドが許さない。
だから、ネットでスマホの情報を仕入れているらしい。

「男は、髪が薄くなっても、恥ずかしがることはないんだ! 隠すなんて惨めなだけだ。俺は平気だぞ!」
職場では、薄くなった頭を晒しているが、仕事が終わると帽子をかぶるタカオ。
自分では、矛盾に気づいていないようだ。

そして、最近、密かに結婚相談所に登録に行ったタカオ。
本人は、まわりにはバレていないと自信満々だが、彼の兄である私の友人には、すべてお見通しだった。


セキュリティが甘すぎるぞ、タカオ!



私は、そんなタカオが、大好きだ。