リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

やさしい都民

2016-07-03 08:28:12 | オヤジの日記
古い話になるが、マスゾエ氏の都知事辞任に関してのことである。

もう集団ヒステリーも収まった頃だろうから、意見を述べるにはいいタイミングだと思った。


一つの大きな疑問は、辞めさせる前に、なぜ疑惑の解明をしなかったのだろうか、ということ。
辞めたら、疑惑がうやむやになるのはわかりきったことだろうに。
ボーナス満額貰って、退職金貰って、何の説明もせずに仏頂面で都庁から姿を消す。

これこそが、税金泥棒。

それを許す有権者やマスコミが、なぜそれよりも小さい公私混同を許せないのか、私にはわからなかったのである。


インターネットには、面白い法則がある。

それは、話題の事件や話題の人を理論的に批判すると、その批判した人を叩くという法則だ。

私は、その法則をひっくるめて「集団ヒステリー」と呼んでいる。

今回も「正論」が、集団ヒステリーで部分的に封殺され、感情的な「人民裁判」が猛威を振るったために、一番悪い結果で終わったような気がする。


今回の場合、本人の口から「疑惑説明」というのが、正当な議会の法則だと私は思っている。
しかし、いつものように、とにかく早く「辞めさせる」という、堪え性のない結論は、ただ時間を無駄に使っただけだけという最悪の結果に終わった。

それがゆえに、今回の結末は、結局、金銭的に得をしたのは都知事だけだったという「都知事にとって優しいハッピー・エンド」になった。


私は、税金を不当に使いました。
ですから、これからは無報酬で働かせていただきます。
リオ五輪も自費で参加させてください。
都民の税金は、一銭たりとも無駄に使いません。
東京オリンピックまで都民様の下僕に徹します。


私の願うシナリオは、そんな風な「都知事ただ働き懺悔」だった。

だが、ほとんどの人たちは、「すぐに辞めさせる」ことを選んだ。
高額のボーナスと退職金を、都民が支払う税金から「せこい都知事」に分け与えることを選んだのである。

私は東京都知事が、任期中に何を成し遂げたのかの記憶がない。

だが、任期まで、ただ働きをさせれば、何らかの形は見えてきたのではないかと思っている。
少なくとも、税金を無駄に使うことだけは防げたはずだ。


そんな風に「都知事に優しい都民」は、次の都知事に誰を選ぶのだろうか。

彼らは、何度満額のボーナスを与え、何度満額の退職金を「優しく」分け与えるのだろう。


そんな優しい都民がいる限り、「たかり体質の都知事」は、途絶えることはないのではないか、と私の気持ちは、いまとても悲観的だ。