先週の都議会選挙は、自民党が大敗した。
私は、生活者ネットワークの候補者に投票した。
私は自民党候補者に、今まで一度も投票したことがない。
政権党は、批判されて当たり前なのに、彼らは批判されると感情的になり、すぐに権力を振りかざして国民やマスコミを威圧する。
権力の本当の使い方を知らない幼稚な集団だ。
権力には「滅私の心」が必要だと私は思っている。
だが、彼らは「権力は国民から仮に与えられたもの」だとは思っていないようだ。「俺たちが奪い取ったもの」だと思っているから、謙虚さがない。
所詮は「海賊感覚」の政治家の集まりだ。
自民党は、英語ではリベラル・デモクラティック・パーティという(私はむしろ『パイレーツ・オブ・パリピ』と名付けたい)。
リベラルというのは、自由主義的な、という国民目線の意味を持つ言葉だが、自民党は自由主義を「俺たちは(数を持っているから)何をしてもいい」という意味に翻訳し直している民主的ではない集団だ。
だから、気に食わない。
・・・という自民党様に対して批判的なことを、いつも思っているから、私は今回の都議会選挙のときに、「自民党の呪い」に囚われた。
東地域防災センターでの投票を終えて、コンビニにNTTコミュニケーションズの代金を払いに行こうとした。
途中にT字路があった。
私は、Tの字の横棒の方を自転車で走っていた。
カーブミラーを確認すると、左の縦棒からは、車は来ない。
前から車が来たが、ウインカーを出していないから直進するのだと私は判断した(それが普通だ)。
しかし、車は突然右にハンドルを切ったのだ(相手の完全な前方不注意)。
避けようとしたが、モロにぶつかりそうになった。
こちらは、10キロのスピード。相手はおそらく15キロ。
つまり、25キロの衝突だ。
ああ、終わったな、と思った。俺は、死ぬんだな、と諦めた。
だが、心は諦めても、体が諦めていなかった。
私は咄嗟に、自転車を横倒しにして、車の下に押しこんだ。
そして、左足で横に飛んだ。もう一度、飛んだ。
そうすることで、自動車との接触を回避することができた。
轢かれずに済んだ。
だが、最愛の自転車クンはペッちゃんこ。カゴちゃんもペッちゃんこ。カゴちゃんに入れたバッグも財布もペッちゃんこ。
自転車クンたち、ごめんな。
(iPhoneクンとカード類は奇跡的に無事だった)
左足の膝から下に激痛が走った。
骨が折れたと思った。
車から降りてきた64~67歳くらいの男が、青ざめた顔で唇を震わせながら「119番します」と言った。
そして、事故を目撃した人が、警察を呼んでくれた。
救急車の方が早く来て、私が救急車に乗せられているとき、警察が来た。
警察を置き去りにして、私は救急車で運ばれた(その前に、救急隊と警官がゴニョゴニョと喋っていた)。
救急車に収容されて「お名前を言えますか? 生年月日は?」と聞かれた。そのあと、「好きなラーメンの種類は?」と聞かれるかと思ったが、聞かれなかった。聞かれたら、塩ラーメンと答えようと思ったのに。
病院では左足と胸のレントゲンを撮られた。
「左足親指にヒビ。肋骨一本にヒビ。ふくらはぎが筋肉損傷。足首捻挫。肋骨全治1か月、親指3週間。ふくらはぎ2週間。足首1週間」と言われた。
私の親指クンは、2回の跳躍に懸命に耐えたのだな。
私はガイコツだから、体重は軽いが、それでも体重の2倍の負荷を親指クンは受けたはずだ。
ヒビが入って当然だ。
よく頑張った!
しかし、けなげな親指クンの存在を無視して、医師は私に顔を近づけ「いまベッドは空いていますから、入院しますか? 大袈裟にした方が、相手の保険屋さんに対しては、いいのでは」と言ったのだ。
何なんだ、チミは!
そのあと、警官が来て、「あの状況で親指と肋骨一本にヒビだけですか! 自転車もバンパーもグシャグシャですよ!」と失礼なことを言った。
もっと重傷だった方が、いいというのか?
何なんだ、チミたちは!
だが、警官は「左足だけで2回もジャンプするなんて、身軽ですね。まるで牛若丸じゃないですかぁ!」というレトロな表現で褒めてくれた。
俺、牛でもないし、若くもないし、丸くもないんですけどね。
3時間後、治療と聞き取りを終え、マンションに帰った。
エレベーターがあるのに、4階まで歩いて上ってやったぜ~。ワイルドだろ~(いつの流行語だ)。
家族には、「車と闘って勝った」とだけ報告した(本当は私ではなく自転車クンと親指クンが勝った)。
バカだろ~。
(娘に、『本当に、おまえ、バカの極みだな』と泣かれた)
昨日、また病院に行った。
医者が足と肋骨を見て、首を傾げた。
「あれ? ほとんど治っていますね。骨がくっついてますね、なんでだ?」
なんだ、チミは?
治っちゃいけないのか、6日目で治って、何が悪いのだ!
要するにチミは、私が瀕死のガイコツだと思って、全治の日数を読み違えただけだろう。
ガイコツをなめんなよ!
今回の事故は、ガイコツの骨は規格外に強いのだ、と認識を新たにしてくれた。
そして、ガイコツの反射神経は、まだ衰えていないのだ、と自信を持たせてくれた。
(ライザップに行かなくたって、結果にコミットできるのだ)
「でも」とヤブ医者が言う。
「車の方のスピードが、あと5キロ早かったら、絶対にダメでしたよ」
チミは、そんなに俺を殺したいのか、と右のコブシがグーになったが、冷静に考えると、確かに運命の分かれ道は、そこだったのだ、と強く思った。
今回は、ただ運がよかっただけだ。
勘違いをしてはいけない。
みなさまも、自転車に乗るときや、車の運転をするときは、お気をつけ下さい・・・・・と親指クンも申しております(陰ながら肋骨クンも)。