リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

ラーメン

2018-11-11 06:11:36 | オヤジの日記

少し前のことだが、11月3日に、娘と2人で駒沢公園の東京ラーメンショーに行ってきた

私は、2015年から通っているので4回目。娘は初めてだ。

娘は最近、会社の同僚と仕事帰りに、よくラーメン屋さんに行くという。

その中でも新宿の蒙古タンメン中本が、お気に入りらしい。

帰りにラーメン屋さんに寄っても、10時過ぎに帰って普通に晩めしは食う。それで40キロをキープしてるから、間違いなく私のガイコツのDNAを継いでいるなあ、と思う。お互い、新陳代謝が良すぎるのかもしれない。

 

私は、ラーメンは嫌いではない。しかし、店に入るのは、年に3回から4回だ。千円もするような高級ラーメンを食う気にはならない。大抵は、390円のラーメンを食う。

外出先で、ラーメンが食いたくなったら、スーパーで日清のラ王のカップ麺とチャーシューを買って、お湯を借り、イートインのコーナーで食うことが多い。

これで、十分満足なのだ。

「貧乏くさい話だな」と娘。

「でも、ボクも昼ご飯は大学のコンビニで、よくラ王を買って食べたな。最後にスープに塩むすびを入れて、雑炊にすると美味いんだ。なんか、貧乏くさい親子だな」

 

渋谷からバスに乗って、駒沢公園へ。

駒沢公園は、陸上部の頃、競技大会が開かれたところだから、フランチャイズだ。それに、社会人になってからは、ほぼ毎週土日は、駒沢公園でランニングをした。中目黒の自宅から4キロ先の駒沢公園まで走り、駒沢公園のランニングロード2,1キロを2周して自宅まで帰った。

約12キロを50分から55分で走った。四季の移り変わりを眼や肌で感じて走るのは、とても気持ち良いものだった。

 

「ところでな」と娘が言った。

「それほど、ラーメンが好きではないお前が、なんでこのラーメンショーには、毎年行くんだ」

それは、こちらに書いたことがあった。

高校3年の時、ダースベイダーのように、フォースの暗黒面に落ちそうになった私を救ってくれた教頭先生がいたのだ。

まるで、ダンブルドア校長のように、その人は、ピンチに陥った私を救ってくれた。

「わかりづらい例えだな」

その教頭先生がいなければ、今の私はいない。

本当に恩師と呼べる唯一の人だった。

だって、考えてごらん。学校には800人近い生徒がいたのだ。800人のうちの1人でしかない私を教頭先生が知っていたとは思えないのだよ。

まわりは、イケメンで運動神経がよく成績もいい私のことを尊敬していたが、教頭先生のところまで噂が届いていたとは思えない。

娘にケツを殴られた。なんでだ!  本当のことを言ったのに。

 

そのあと、一応父親らしくもっともなことを言った。

「人生には、必ず、ターニングポイントがある。それを見逃すな」

「・・・・・・・」

あれ?  スルーされたか。

 

話題を変えた。

実は、お父さんには、1つ汚点があるのだよ。

一橋大学の受験をしくじったのだ。模擬試験では、合格率75%と出ていたのに、しくじっちまった。

教頭先生に、しくじりのブルースを報告したあとで、教頭先生は、おったまげることをしたのだ。

「Mくん、僕に付き合ってくれないかな」

教頭先生の後をついていった。

ついていった先は、井の頭線渋谷駅のそばにある赤ちょうちんだった。

「入ろうよ」となんの力みもない顔と声で言われた。

「こんなときは、ヤケ酒だよ」

あのー、私、未成年なんですけど。

(このときは、制服ではなく私服だった。私は、背が高かったので、20歳に見えなくもなかったたたたた)

教頭先生が、豪快に言った。

「ヤケ酒に、未成年も成人もないですから」

いまだったら、SNSで全世界的に叩かれただろう。

でも、私は、6歳の時に、祖母や母が押し入れに隠していた赤玉ポートワインの一升瓶を、こっそり飲む日常を送っていた前科がある。

ヤケ酒、上等!

「おや、Mくん、いけるクチだね」

炎上覚悟で、私は、ハイボールをヤケ酒した。恩師はもう亡くなっているし、私も先は短い。

許してくだされ。

 

「まあ、要するにはみ出しもので、ひねくれ者のおまえは、その教頭先生がいなければ、まともな人間にはなれなかったということだな」

そんな話をしているうちに、ラーメンが出来あがった。

教頭先生の故郷の長野県の安養寺ら〜めんだった。食レポをするつもりはないので、濃厚で中太麺によく絡んだスープが、いいね! とだけお伝えします。

一口、二口、三口食った後で、教頭先生も、これを食べたのかな、と言っているうちに、目から水が流れ出た。ついでに、鼻からも流れ出て、味がわからなくなった。

いまだに、教頭先生ロスが激しい。

汚いオヤジだ、と思いながら目の前に座る娘を見たら、娘も目から水を流しながら、ラーメンを食べていた。

 

娘が言った。

「ボクたち、変な親子だな」

そうだな。

「でも、来年もまた来ような」

 

うん、ありがとう。