杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

Xマスのシンクロニシティ

2009-12-25 20:27:54 | アート・文化

 巷はクリスマスですね。昼間、街を歩いていたら、通りがかりのカップルが「なんでクリスマスの飾り、今日(25日)まで付けてんのかね?昨日(24日)で終わったんじゃねぇの?」なんて会話をしてました。イブとクリスマスの違いがわからない人もいるんだな~と目がテンになりました(苦笑)。

 

 

 年内の取材・打ち合わせ等は今日でひと段落。昼間はホテルアソシア静岡で開かれた日本平ロータリークラブの12月例会に招かれ、40人ほどのロータリー会員のお歴々に『吟醸王国しずおか』パイロット版を観ていただきました。

 先週の静岡経済研究所のときと同様、日本酒に対する偏見?がある年配男性諸氏に、吟醸王国しずおかの世界観を瞬時に理解してもらうのはとても無理だと思いましたが、とにもかくにも、映画制作のことを一人でも多くの人に知ってもらって、いつの日か実になるご縁につながれば、と期待しています。

 

 念を持ち続ければ、縁は向こうからやってくる、と・・・これは、昔よく読んだ心理学の『シンクロニシティ』の世界観ですね。

 

 

 

 このところの忙しさにかまけて年賀状の準備を後回しにしていました。ロータリークラブ例会の後、今日まで静岡伊勢丹8階催事場で開催の全国うまいもの展を覗き、福井・小浜の大入号さんのレンコンと生姜の粉末&オリゴ糖漬を見つけて、風邪予防にちょうどいいと買い求め、帰宅して、やっと頭がリセット。

 

 昨日、打ち合わせのあった広報物の表紙デザイン&コピーの参考に広げていた伊藤若冲の図録をめくりながら、年賀状のデザインは若冲の虎の絵をモチーフにしようかとぼんやり考えていた矢先、静岡新聞夕刊を広げたら、農林水産面に京都高麗美術館の片山真理子さんの連載記事『朝鮮の歴史と文化』が! そう、過去ブログでもご紹介したとおり、片山さんの連載が先月から始まったんですね。毎月最終週の金曜の静岡新聞夕刊に掲載なので、ついウッカリ見過ごすところでした。

 

 

 本日掲載の記事は、朝鮮の茶文化についての考察。日本同様、朝鮮半島もお茶は中国の仏教文化とともに入ってきて、仏教が厚く信仰されていた高麗時代まで(918~1392)茶葉を使った飲茶の風習は貴族階級でも重宝されてきたそうですが、仏教が廃れた朝鮮時代(1392~1901)は、生姜とか朝鮮人参などを粉にして煎じて飲む健康ドリンク的なもの全般を「茶」と言ったそうです。私がさっき伊勢丹で買ってきたようなものが、朝鮮王朝で言うところの「茶」だったんだ・・・!とビックリ。

 

 偶然は不思議と重なるもので、今日は京都高麗美術館から2010年の催事案内が届いていました。1月9日(土)から2月14日(日)までの新春特別展は『朝鮮虎展』。なんと、パンフレットのキャッチコピーに“若冲も手本にした朝鮮の虎の絵”とあるじゃないですか!

 朝鮮半島には昔、たくさんの野生の虎がいて、畏怖の対象だったんですね。多くの美術工芸品に描かれています。ホンモノの虎を写生する機会がない若冲にとって、朝鮮画家が描いた虎の絵は、さぞかし想像力を刺激させられたことでしょう。

 

 

 今夜これから描く年賀状のイラストも、朝鮮画家や若冲の虎をゴチャマゼにしたような変な図柄になるかもしれませんが、今日のちょっぴり不思議なシンクロニシティにあやかって、楽しい絵にしたいと思います。なんてったって(ウン回目の)自分の干支ですから!

 

 なお、NHK教育で毎月最終日曜日22時から放送の企画番組『日本と朝鮮半島2000年』は、12月27日放送分で朝鮮通信使を取り上げるそうですから、視聴できる方はぜひご覧くださいまし!

 


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