杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

『杯が満ちるまで』

2008-06-18 17:09:04 | NPO

 先週末、発送した吟醸王国しずおか映像製作委員会会報誌『杯が満ちるまで』を査収された方々から、早くもお返事をいただきました。

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 嬉しかったのは、一般女性の会員から「いいスタッフに恵まれていいお仕事ができそうね」「自分自身は少額会費しか出せないけど、出来るだけ周りの人にPRするから会報誌をもっと送って」という声をいただいたこと。

 そして、ある蔵元社長が「あなたの文章にあった“静岡の酒造りを通して、静岡の自然やモノづくりの価値を後世に伝えたい”という一文は、まさに自分の思いそのもの。ぜひ応援させていただく」とおっしゃってくださったこと。

 私が会報誌を通して伝えたかったことを、まっすぐにキャッチしてくれる人がいたんですね。本当に嬉しかったです。

 

 有能なプランナーや敏腕プロデューサーが戦略的に資金調達方法を考え、実行するのとは次元が違いすぎるやり方かもしれません。でもライターの私に出来ることといったら、文章を通して理解してもらうこと。非効率のようですが、こういう冊子を作って読んでもらうしかないのです。だからこそ、1人でも2人でもこういうレスポンスをもらえるというのは百万の味方を得た思いがします。

 

 

 日頃、NPO団体の広報活動に関わっていると、広報物を作ることで対外的なPRのみならず、内部スタッフにも活動の見直しや点検に役立っている事例をよく見ます。最近はコンサルの先生が「リーダーの思いばかり強くて、メッセージが整理されてない」「読者にわかりやすく編集しろ」と指示することも多いよう。確かに、資本のとぼしいNPO団体の広報物の中には、学級新聞なみの手づくり感たっぷりのものがあったりしますが、NPO側からは「寄付をお願いする身で、あんまり立派な広報物を作るのは気がひける」という声も。個人の思いや仲間同士の絆がベースになっている団体では、他者に伝える・理解してもらうという行動に慣れていない、或いはさほど重きを置いていない、というケースもあります。

 

 私自身は、メッセージというものは、どうしたって受け取る側の感度や受信容量によって、理解の深さ・浅さが生じるわけですから、見た目にさほどこだわる必要はないと思っています。そのメッセージが発信者の真実の声であるならば。

 

 

 真実の声を持つメッセンジャーに必要なのは、体裁を整えることではなく、受信者の選択です。もちろん、あまりにも独りよがりで未整理状態のものを公表していいわけではなく、他人に読んでもらう上での最低限のマナーや気遣いは必要で、私がサポートするのもその最低ラインあたりですが、無理して万人受けする見せ方・伝え方に神経を磨り減らすくらいなら、伝える相手を精査し、ピンポイントに届く方法を考えるほうが、結果として効率的。広報の使命も果たすような気がします。メッセージをまっすぐにキャッチした人が、新たなメッセンジャーになって広げてくれるのですから。

 そのためには、日頃の自分たちの活動を点検し、現在、どういう人に有効か、足りない層はどこか、将来的にはどういう層に広げていくべきかを内部で熟考する必要があります。広報というのは、その意味でも、団体活動の重要なエンジンになるわけです。

 

 

 そんなことをつらつらと考えながら、いざ、自分で作ってみた会報誌。今のところ送り先を限定していますが、多くの支援者を集め、映画という杯を満杯にするには、そんな悠長なことを言っていられないのかも。ブログ読者で興味のある方がいらっしゃいましたら、お送りいたしますので、ご一報ください。

 6月20日(金)15時15分から静岡市民文化会館中ホールで行われる『朝鮮通信使』無料上映会にお越しいただける方は、私、受付あたりに居ますので、一声お掛けくださいね。


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1 コメント

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鈴木真弓様 (遠藤正雄)
2008-06-26 10:04:55
昨日、静岡銀行から振り込みました。
吟醸映画の成功を祈ります。
いつも、ブログ楽しみにしてます。
がんばれ 真弓さん。
金両基先生は映画ゆけませんでした。
昨日、金両基先生一生懸命電話をかけてましたよ。(^o^)
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08/06/26 遠藤 正雄
http://www7b.biglobe.ne.jp/~s-human/
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