日暮しの種 

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大国の横暴な振る舞いは

2014-06-14 21:30:00 | 編集手帳

6月8日 編集手帳

 

インドシナ半島東岸に位置するベトナムの国土は緩い「S」字を描いて いる。
北で国境を接するのは、
中国だ。
かつて、
ハノイの歴史学者が話していた言葉を思い出す。

「地図をよく見てほしい。
 わが国は、
 中国という巨大な岩の重 みで、
 折れ曲がってしまった」。
地図帳を開くと、
確かにそのようにも見えた。
隣の大国が攻めてくれば戦い、
退けば握手する。
それが、
この国の伝統的な生き 残り戦略だという。

米国とのベトナム戦争に続き、
1979年の中越戦争も戦った元民兵は、
数を頼んで押し寄せる中国軍の人海戦術を「未熟」と評した。
しか し、
かの大国は今や、
経済でも、
軍事でも、
当時とは比較にならないほど強大になった。

その中国が、
先月、
南シナ海の中越係争海域で、
一方的に石油掘削を始 めた。
中止を求めるベトナム船に、
数で圧倒する中国船が体当たりを繰り返す。
ベトナム船1隻が沈没した

危険な攻防の激化を防ぐ方法は、
ある。
双方が国際 法に基づいた解決を目指し、
力で勝る方が、
自制的な行動を取ればいい。
大国の横暴な振る舞いが、
戦いを招く。
昔も今も、
それは変わらない。

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丸の内 3丁目 シェ・ロッシニ 東京會舘

2014-06-14 21:00:00 | グルメ

 

 

 

(BY お店)

 

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雨よ 心して降れ

2014-06-14 07:15:00 | 報道/ニュース

6月6日 編集手帳


日常のありふれた風景がつかの間、
人を哲学者にするときがある。
話術家の徳川夢声には、
自宅の庭に降る雨がそうだったらしい。
〈池には雨が落ちて、
 無数の輪が発生し消滅する〉

1942年(昭和17年)3月の日記に書いている。
〈人間が生れて死ぬ世の中を高速度に見ることが出来たら、
こんな風だろうと思つた。
カミの目から見る人間の生死がこの通りだろう〉と。
雨にはたしかに、
人を物思いに誘うようなところがある。

関東甲信から北陸、
東北南部の地域がきのう梅雨入りした。
しばらくは“哲学の季節”がつづく。

と言いたいところだが、
西日本での登場ぶりをみると、
池のほとりで無常観に浸ることのできそうな降りようではない。
豪雨が災害をもたらすような「 荒(あら)梅雨」「暴れ梅雨」になりはしないかと、
いまから気にかかる。

数ある雨かんむりの漢字のなかで、
誰もがその字の前でこうべを垂れるのは〈霊〉だろう。
日々の新聞をひらけば7歳の 有希(ゆき)ちゃんがいて、
5歳の 理玖(りく)君がいて、
いつにまして心静かな 瞑目(めいもく)の時間がほしいときにめぐってきた梅雨どきである。
雨よ、
どうか心して降れ。

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