2021年4月22日 NHK「おはよう日本」
銀座の一等地にある老舗デパート。
紳士服売り場に新たにオープンしたのは中国のブランドである。
8年前 広州で生まれ中国国内で100店舗以上展開するこのブランド。
ITエンジニアはアーティストなど
ファッションにこだわりを持つ人の人気を集めている。
最大の特徴が品質。
それを支えているのが日本製の素材である。
たとえば2万4,000円のジャケット。
愛知県の会社が開発した
横糸に和紙を使った素材が使われている。
このデパートはコロナ禍でスーツの売り上げが落ち込むなか
カジュアルを強化して販売増を図りたいと考えていた。
(松屋 営業4部)
「この洗練された感じとか
日本の素材を多く使っているというところで
この商品であれば私どものお客様にきっと高い評価をいただけるんじゃないのかなと。」
このブランドが日本に進出したのは去年。
店を構えたのは高級ブランドが集まる東京南青山である。
シンプルでこだわりの素材を使うコンセプトが日本人にも受け入れられると考えたからである。
(ダンノン 季さん)
「我々のコンセプトが実は日本市場にぴったり合うのです。
多くの日本人が店舗を訪れたとき
中国発のブランドだと知ったら驚きました。
これからもチャンスがあれば店舗の数を増やしたいと考えています。」
このブランドの存在が地方の企業の飛躍にもつながっている。
石川県にある繊維メーカー。
3年前に初めて中国ブランドと取引を始めた。
この会社はポリエステル生地の生産を得意とし
これまで製品のほとんどを国内メーカーに卸してきた。
しかし国内のアパレル市場が縮小するなか
会社の将来に危機感を持っていたという。
そこで軽くて速乾性があり
こうした機能が長く続く生地を開発。
その機能性に興味を示してきたのが中国ブランドだった。
取引量は年々増加。
この3年間で5倍以上に伸びている。
今後ほかの新しい中国ブランドにも生地を売り込んでいきたいと考えている。
(丸井織物)
「中国との商売は日本と1桁違う。
ここからスタートのつもりで
中国への展開をしていきたいなと思っています。」
紹介した中国ブランドは
静岡県や和歌山県の企業からも素材を仕入れていて
商品の半数以上が日本製の素材を採用しているという。