9月15日 NHK海外ネットワーク
2030年代半ばまでに火星への有人飛行の実現を目指しているNASA。
そのため4人乗りの宇宙船の開発を進めている。
宇宙飛行士をどうやって安全に火星に送り
そして地球に戻すのか。
帰還したときの着水試験も始めている。
NASAは自由な発想で宇宙開発に挑むために
あるユニークな方法を取り入れている。
NASAを中心としたチームが使っているのはおもちゃのレゴブロック。
ここではキュリオシティの次の世代の探査機について研究している。
チームの間で設計予想図のイメージを共有し
問題点を洗い出している。
「この部分をもっとスムーズに動かしたい。」
関節が動く角度を大きくするために二つの歯車の間の距離を調節した。
何度でも手軽に作り直すことができ
自由な発想を形にしやすいのがブロックの強みである。
キュリオシティの開発でもブロックを使って検討作業を行った。
「ブロックはすぐに作り変えられるので設計や開発が早められる。
いいアイデアかそうでないか
すぐにわかるので方針転換も早い。」
国際宇宙ステーションに5か月半滞在した宇宙飛行士の古川聡さんは
NASAの技術者の発想方法について
感銘を受けたと言う。
宇宙飛行士 古川聡さん
「本当に難しいことに挑戦していく精神はすごい。
頭で考えるだけでなく
モノを使いイメージを膨らませるところが身近に感じる。
私自身もブロックで
宇宙ステーション はかり 天秤をつくって
無重力と地上でどう違うかを調べた。
とても器用感を覚える。」
次世代の宇宙開発を担う若者の育成にも力を入れている。
NASAが全面的に協力して毎年開かれている全米ロボットコンテスト。
幼稚園児から大学生までが参加している。
コンピューターのプログラムは
NASAや航空機メーカーのボーイングで実際に使われているもの。
第一線で働くNASAの技術者たちが高度なプログラムを使って
ロボットをどのように開発するのか
子どもたちに直接指導する。
宇宙を目指す。
夢ではなく体験として刺激を与えることで
可能性や才能を伸ばそうという狙いである。
「探査機の開発者なんて遠い世界の人と思っていたが
なってみせる。」