日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

中国で人気拡大中 日本の絵本

2015-07-28 07:16:49 | 報道/ニュース

7月21日 キャッチ!


北京の住宅地にある民間の児童書の図書館。
棚に並んでいるのは中国語に翻訳された日本の絵本。
日本の著名な絵本作家も含めて約2,000冊が揃えられている。
小学校や幼稚園帰りの子どもたちが絵本の世界に夢中になっている。
「怖いお話が好き。」
「絵本大好き。」
北京にある日本の絵本を販売している書店。
週末にたくさんの親子連れが訪れる。
日本の大手出版社の中国法人が運営する絵本専門店である。
10年前から営業を始め
日本語の絵本を中国語に翻訳・出版して来た。
日本の絵本の翻訳本はここ5年で毎年売り上げが2割~5割伸びている。
この出版社は中国進出当初
日本の絵本を知ってもらおうと幼稚園などで無料の読み聞かせをした。
ところが保護者から思わぬ反応があったと言う。
(ポプラ社 中国法人 石川郁子社長)
「いま中国でロングセラーになっている絵本も出版当初は
 『どうしてこんなに空白が多いんですか?』
 『文字もどうしてこんなに少ないんですか?』
 という中国のお母様の感想なんです。」
中国での学習では文字や知識の習得が重視され
幼いころから暗記することが良しとされている。
したがって児童書の役割も子どもたちに漢字を学ばせることに置いている。
こうした理由で文字数が少ない日本の絵本に保護者達は戸惑いを見せていた。
また値段の高さも普及への障害となった。
上質な紙を使用したハードカバーの日本の児童書は
それまでの中国の相場の2倍以上高く
中国の書店も店頭に並べることには消極的だったと言う。
(ポプラ社 中国法人 石川郁子社長)
「『どうしてこんなに高いんだ。』
 ページ数も文字数も少ないと価格と見合わないということもあった。」
しかしこうしたなかでも日本の絵本が広まってきた背景に
親の考え方の変化がある。
周秀怡さんは4才の一人息子のために絵本を80冊所有している。
ほとんどは外国の絵本の翻訳本で
このうちの半分は日本の作品である。
周さんは幼稚園に通う子どもたちが漢字だらけの本を読まされることに疑問を感じたと言う。
(周秀怡さん)
「1~2歳の子どもに多くの親は文字の多い絵本を与えますが
 大きくなれば文字を習うので急ぐ必要はありません。」
漢字だらけの本に疑問を感じ始めたころ知人の勧めで知ったのが日本の絵本だった。
息子が夢中になる様子を見て
子どもたちが純粋に楽しめる本が必要だと考えるようになった。
今では子どもたちに絵本を読み聞かせるボランティアをしている。
(周秀怡さん)
「日本の絵本の特徴は温かでほっとさせてくれるところです。
 絵本は母子や父子の関係をより深めてくれます。」
また中国の絵本事情に詳しい専門家は
親の考えの変化に加えて
日本文化に親しんだ世代の親が増えてきていることも日本の絵本が普及する要因だと指摘している。
(中央美術学院 楊忠准教授)
「80年代生まれの若い親は日本のアニメの影響を大きく受けています。
 日本文化の影響があるので日本の絵本に親近感を持つのだと思います。」
日本の絵本は中国の若手絵本作家にも影響を与えている。
27歳の絵本作家はもともと大学でアニメ制作を学んでいたが
卒業後独学で絵本製作に取り組んでいる。
絵本作家を目指し始めたばかりのころ
日本の絵本を見ながらその技術を学ぼうと練習を繰り返したと言う。
(絵本作家)
「たとえばこのような雲の描き方はこの絵本の雲の描き方にしています。
 シンプルなラインに淡い色が付いているところです。」
夢は自分の絵のスタイルを確立させて作品を出版することである。
(絵本作家)
「自分のこれまでの経験と新たに学んだものを合わせることで
 オリジナルの作品を作っていきたい。」



コメント    この記事についてブログを書く
« IT技術差を確保せよ ベトナ... | トップ | 通天閣 103年前の天井画... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

報道/ニュース」カテゴリの最新記事