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中国の“漫才”ブーム

2016-06-21 07:15:00 | 報道/ニュース

6月4日 おはよう日本


中国にも日本の漫才に似た大衆演芸がある。
相声(しょうせい)
中国語の読み方で「シャンション」と呼ばれている。
話し手と聞き手の2人で演じることが多く
中国人なら誰でも知っている昔話や最近の流行まで
様々なことをネタに客を笑わせる。

「孫悟空の時間を止める魔法で
 桃園にいた美女は動けなくなった。
 でも孫悟空は美女に見向きもせず桃を取りに行ったって。」
「もったいない!
 人間なら美女をとるけどなあ。」
中国内陸部の中心都市 四川省成都市にある劇場。
ボケとツッコミが繰り出す軽快なやりとりが観客を笑いの渦に巻き込んでいる。
(客)
「初めて劇場に来ましたが
 笑えるネタが多く楽しめました。」
「会場の雰囲気が最高で
 テレビで見るよりずっと盛り上がりました。」
相声は150年以上前から続く中国の話芸である。
しかし人気の理由だった社会風刺や政府を皮肉るネタが規制されるようになり
徐々に廃れていった。
以前は中国のテレビではお笑いの番組がほとんどなかったが
劇場での相声が動画投稿サイトに載るようになると
人気が爆発。
庶民の日常や流行をネタにしたものが幅広い層にうけた。
この1,2年テレビではお笑い番組が急増し
相声を見ない日は無いほどになっている。
日常の何気ない一コマをおもしろおかしく切り取るのが相声の魅力。
恋人同士の会話を1人2役で演じるネタ。
“かかあ殿下”と言われるこの地域の女性が
強い口調で男性を従わせる様子を描き
観客の笑いを誘った。
男「化粧に1時間もかけてどうするんだ?」
女「化粧しない女がどこにいるのよ?」
男「まちくたびれたよ・・・。」
女「あんたは安月給でプレゼントもできないくせに待つこともできないの?」
こうしたネタが中国の若い女性の人気を集めている。
成都市の銀行で働く 羅子炎さん(26)。
相声に夢中になっている1人である。
し烈な競争社会の中国。
羅さんは会社に入ったころ仕事の業績や人間関係に悩んでいた。
心の底から笑う機会が少なくなっていたという。
そんなときインターネットで出会ったのが相声だった。
(羅子炎さん)
「若者でも楽しめる中身でしたし
 旬の話題から身近のものまであるので聞きやすかったです。」
毎週のように劇場に足を運ぶようになった羅さん。
我を忘れて大笑いすることで
心にゆとりができたという。
(羅子炎さん)
「ふだんはなかなかリラックスできないのですが
 相声を聞くとその世界に引き込まれ
 心から楽しむことができるのです。」
相声の世界に身を投じる人も増えている。
田海竜さん(31)。
大学生のころ相声の同好会で活動していた田さん。
3年ほど前 会社を辞めて芸の道に入った。
(田海竜さん)
「相声は簡単に人を笑わすことができる。
 より多くの人たちに相声を見てほしいです。」
しかしお客さんは甘くはない。
面白くなければ舞台を無視してスマホをいじり出す。
そこで田さんは羅さんなどファンとの交流の場を持ち
どんな話がうけるのかを聞いている。
「地元の話題を取り入れたネタは反応もいいし
 毎回うけていますよ。」
4月 中国東部の江蘇省で開かれた大会に田さんは招かれた。
実はこの大会は
地元の当局が演じ手たちにネタを披露させて
内容を把握することを目的としている。
四川省の女の子は口は悪いけど心は優しいんだ。
でも中には心がノコギリみたいにきつい子もいるけどね。
田さんたちは特に指摘を受けなかったが
最近の大学生が怠ける様子を演じたコンビニには・・・
「この男は19歳。
 遊んだあとは?」
「寝る。」
「寝た後は?」
「遊ぶ。」
「遊び疲れたら?」
「寝る!」
(審査員)
「もっと学生たちの良い面も盛り込まなくてはいけません。」
学生の描写が不適当だと指摘を受けた。
今後 お笑いを必要とする人はもっと多くなるだろうと感じている田さん。
先の見えない中国社会でこそ
笑いが人々を支える原動力になれると信じている。
(田海竜さん)
「プレッシャーが大きな時代
 こうした笑いが必要だと思います。
 もっとたくさんの劇場ができて
 相声が全国どこでも見られるようになってほしい。」
伝統の笑い 相声がもたらした中国のお笑いブーム。
人々の生活が向上していくなかで
笑いを求める声はますます強まっている。

中国では
7億人が見ると言われる
大晦日に放送される国民的な芸能番組がある。
いまでは相声もこの番組で演じられ
お笑いのジャンルとしてすっかり定着している。




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