5月29日 おはよう日本
manavee
クリックするだけで授業を無料で見ることが出来る
インターネット上に誕生したサイト。
大学受験に必要な数学や英語、歴史、地理といった9科目の授業が
1,500コマ以上も用意されている。
教えているのは現役の大学生たち。
自分の経験を生かして受験生を応援しようとボランティアで行なっている。
この際とは一昨年秋にスタートして以来
1ヶ月に1万人以上が利用している。
国立大学をめざす都内私立高校2年生。
英語の文法の授業を選んだ。
授業はひとこま15分。
先生は現役の東大生でいわば受験の先輩。
「先輩方が近くに経験してきたことなので実体験からノウハウが学べる。」
わからないところは先生に質問することが出来る。
授業を見終わって早速質問すると
1時間後に先生から返事が返ってきた。
40行近くにのぼる丁寧な解説で十分理解することが出来た。
「疑問点をそのままにしないで
すぐ先生にネットで送信できるのはすごい便利。」
母親もこの勉強方法を歓迎している。
子ども2人が私立学校に通っているため
無料サイトをできるだけ生かして欲しいを考えている。
「塾代が一切かからないとは思わないが
大学受験は大変なので目いっぱいは利用して欲しい。」
いつでも好きなときに勉強できる。
それがサイトが人気を集めている理由である。
前橋市にすむ高校3年生は
幼い頃から始めたダンスで
この夏 アメリカで行なわれる世界大会に出場する。
週の大半を練習に費やす一方で国立大学への進学もめざしている。
練習の合間にサイトを利用する。
どこでも勉強できるとスマートフォンで見るようになった。
ダンスと両立するにはこの方法が一番だと進学塾に通わずに勉強を続けている。
「レッスンが始まる前の10分間でも勉強が出来るので
この時間はダンスしようとか
この時間は勉強しようとか出来るので自分にあっていると思う。」
注目を集めるこのサイト。
先生役は50人あまりで東京や京都、名古屋など各地の大学に在籍している。
サイトをつくったのは東京大学3年生。
誰でも簡単に受験勉強ができる環境をつくりたいと考えた。
「自分が行きたい大学の先輩が授業しているのが一番の魅力。
先生を選んで勉強できる場所を作りたい。」
授業をわかりやすくしたいと工夫を重ねている。
この日は生物が専門の大学院生が仲間とともに教室を借りて授業を撮影した。
これがミオシンです
そしてこちらがアクチンです
授業では
複雑な筋肉の仕組みを身振り手振りと交えることで
わかりやすく説明しようと考えた。
撮影に立ち会った先生役の学生も意見を出し合う。
「体を使ってミオシン アクチンと表現したのはわかりやすい。」
「字の大きさがこれで見れるのか心配。」
受験勉強を教える大学生たち。
将来は教師になりたい
自分の経験を生かしたいなど
動機はさまざまだがやりがいや手ごたえを感じている。
先生役の大学生
「学生が無料で授業を提供する場が今までになく新しい。」
「定期テストで92点取れたと連絡が入りすごくうれしい。」
現役の大学生と大学をめざす受験生を結びつけたこのサイト。
受験勉強の新たな選択肢のひとつとして広がりをみせている。
Hotel de Ville de Nobtreal
シャトー・ラムゼイ博物館 Chateau Ramezay Museum
ジャック・カルティエ広場 Place Jacques-Cartier
Chapelle Notre-dame-de-bonsecours
マルグリット・ブルジョア博物館 Marguerite-Bourgeiys
5月28日 NHKおはよう日本
大学を卒業後、定職に就かず実家に戻るブーメラン族。
アメリカでは経済の低迷で就職が難しくなるなか
こうした若者が急増している。
最新の調査では
25歳~34歳の成人のうち
実家で暮らした経験があるを答えたのは3人に1人。
10年前のほぼ2倍である。
独立することを何よりも重んじるアメリカは
大学を卒業すれば親元を離れて自分で生計を立てていくのがあたりまえとされてきた。
しかしいまブーメラン族に対する社会の認識が変わり始めている。
ブーメラン族を題材にした本
『フォールバック・プラン(撤退計画)』。
実家の戻った女性が悩みながら成長していく姿が描かれている。
各地で開かれるこの本の読書会には毎回多くの若者たちや親が参加する。
著者のリー・スタインさん(27)はもともと女優志望。
これまで4回ブーメランを繰り返した。
実家に戻ると 自分の部屋は
親がくつろぐホームシアターになっていた
自らの経験に基づいて綴られた主人公の姿は
ブーメラン族の若者やそうした子どもを抱える親たちが共感している。
リー・スタインさん
「ある父親から
この本のおかげで息子の気持ちがわかるようになったと言われました。」
ブーメラン族であることを前向きにとらえ
実家で自ら事業を始める人も出てきている。
リンジー・ハントさん(29)は
大学卒業後満足した仕事に就けず両親の元に戻ってきた。
「最初に1ヶ月は本当に辛かったです。」
そんなハントさんを両親は温かく受け止めてくれた。
親に生活費をみてもらうことで将来のことを考える余裕が生まれた。
自分の部屋を事務所として
企業からネット上での宣伝を引き受ける仕事を始めた。
いまでは10社近くの顧客を抱え
売り上げはひと月24万円を超えるまでになった。
リンジー・ハントさん
「両親とクラスことで私は自由を得た気がします。
実家に戻るのは“悪いこと”ではなく
“いい機会”だと思います。」
母親
「私たちの時代は実家に戻ることは失敗を意味しました。
でも世の中は変化しており
私たちも考えを変えるときがきています。」
独立を急がず
家族に見守られながら次のステップを探る。
そんなブーメラン族の若者たちが
アメリカ社会に新たな活力を与え始めている。
5月27日 サンデーモーニング
新しい東京のシンボルとなった東京スカイツリー。
来年1月には東京タワーに代わり地上デジタル放送の配信を始める。
東京タワーから東京スカイツリーへ。
それはひとつの時代の変わり目を象徴しているかもしれない。
1958年 新しいテレビ時代の到来を見据えて建てられた東京タワー。
当時の日本は敗戦から立ち直り高度経済成長が始まる頃だった。
ひとつの時代の象徴だった東京タワー。
しかし今はからずも戦後日本を支えた多くのものがその変わり目
世代交代の時期を迎えている。
オリンピックをにらみ1959年に
首都東京の道路網を整備するため建設が始まった首都高速道路。
しかし ひびわれなどで補修が必要な箇所97,000件にのぼるなど
抜本的な改修や立て替えの議論が始まっている。
70年代に都内の深刻な住宅難を解消しようと入居が始まった多摩ニュータウンや
東洋一のマンモス団地とうたわれた高島平団地。
かつて活気に満ち溢れたこれらの集合住宅も
近年は建物の老朽化とともに住民が高齢化。
こうした状況にここ数年 再生計画が立てられ
今年に入って一部の建て替えが本格化している。
道路や団地だけではない。
一般的にコンクリートの耐用年数は約50年。
都心部のオフィスビルから下水道まで
高度経済成長を支えたインフラが世代交代や建て替えを余儀なくされている。
東京都市大学 涌井雅之教授
「産業優先社会としての東京にふさわしい
社会資本の投資をずっとやってきた。
そのことで確かに日本は高度経済成長を達成することも出来た。
しかし そういう量的拡大を前提にした時代は終わった。」
こうしたインフラに支えられた社会もまた変化のときを迎えている。
実際 高度経済成長を支えた段階の世代が次々退職。
日本経済を支えた人が徐々に第一線を退く一方
終身雇用制度といった雇用形態も崩れつつある。
かつて圧倒的に世界シェアを誇ったものづくりの分野でも
新興国の後塵を拝する事態に。
1960年代に始まった国民年金制度は
少子高齢化などによって制度自体が大きく揺らいでいる。
また国の借金が増え財政が行き詰まりを見せるなか
公共事業で地方経済を潤す手法も曲がり角である。
政治も政権交代の期待が裏切られ
既成の大政党への失望感が広がっている。
戦後の成長を優先してきた日本社会に迫られる変化。
さらにそれを決定的にしたのが今回の震災だった。
涌井教授
「生活を破壊し命を奪った。
その重さを考えてみたときに今までの延長線上でいいのか。
豊かさを追い求める社会ではなく
豊かさを深める社会に来ているのではないか。
歴史的な転換点と捉えきれるかどうかが問われている。」
大震災と原発事故によって揺らぐ日本社会。
そのなかに
時代の変化を予感させる東京スカイツリーが登場したのである。