評価点:48点/2009年/スペイン
監督:ジャウマ・バラゲロ/パコ・プラサ
POVの意味ありますか?
前作から数時間後、そのマンションには人だかりと警察による隔離処置がとられていた。
そこに呼ばれたのはSWATの四人。
彼らはオーウェン博士(ジョナサン・メイヨール)とともにそのマンションに調査に向かう。
頭にはビデオカメラを仕込み、すべてを記録するように言われる。
最上階に行くように指示されるが、その階段は血みどろになっていた。
事態が把握できない彼らは、博士を問いただすが……。
スペインで公開され、あれよあれよという間に話題になり大ヒットを記録した「REC」の第二弾。
話は完全に前作の続きからのようだ。
前作はストーリー程度しか知らないため、違和感があるエピソードもあったが、仕方がない。
ポイント・オブ・ヴューをいかした本作は、「クローバーフィールド」のような臨場感で展開される。
マンションを舞台にしたパニック・ホラーのような設定だが、実際にはオカルト・ホラーだ。
その点を間違うと、大きく期待を裏切られるかもしれないので、注意が必要だ。
あまり上映館数も多くないようなので、見たい人は是非いくべきだ。
映画館じゃないと、この映画はおもしろくないことは間違いない。
▼以下はネタバレあり▼
僕はパニックホラーだと思って見に行ったが、実際にはオカルト・ホラーだったことにだまされてがっかりした人間の一人だ。
前作の魅力を知らないので、なんとも言い難いものがあるのだが、これはちょっと失敗だったと思う。
ポイント・オブ・ヴューであることの魅力は、情報が極端に限定されてしまうということだ。
よって、怖さが増加される。
見せない方が怖い、これはホラーの鉄則である。
残念ながら、この作品の制作陣は、それを全く理解していただいていないようだ。
単純に言って、見せすぎというのがこの映画の最大のマイナスだ。
90分足らずのこの映画で、真相を明かすのが早すぎた。
前作ですでにその真相は明らかになっているからだろうが、あまりにも真相がすぐにわかってしまうので、情報が制限されている、という設定じたいが徒労に化している。
真相は一応書いておこう。
ある実験で悪魔を呼び起こす方法を検討していたが、その実験が完成するも、その悪魔病が伝染してしまう。
その媒体となった少女メデイロスの血液から解毒剤を作らなければ、感染を防げない。
そこで、牧師のオーウェンは博士と偽って、SWATを率いて任務にあたったのだ。
だから、解決方法は科学的だが、原因はオカルトというわけのわからない映画になってしまった。
何がおそってくるかわからないところに、POVの価値があったのに、真相がわかってしまうと、ただの映画になってしまう。
しかも、その設定にまるでリアリティがないために、怖くもない。
ゾンビのように襲いかかる住人たちが、十字架でおとなしくなると言うのはいかにも不自然だ。
それはキリスト教圏でない日本にいる僕だから感じる不自然さかもしれないが、ちょっと無茶だ。
十字架をいっぱい持ってこれば、そんなに苦労しなかったような気さえする。
また、POVなのに、マルチカメラによる撮影が可能になったこともマイナス要因でしかないように思う。
「クローバーフィールド」のような臨場感や日常感がないため、リアリティは感じられない。
そして、カメラがやたらと安定感があるので、酔うこともない。
だから、カメラからこちら側へ恐怖があふれてくるという体験ができないのだ。
カメラの切り替えも、驚くほど巧みで、余計に怖さが減っていく。
わかりやすくカメラを落としたりバッテリーが切れたりするが、そんな演出はどうでもよかった。
普通のカメラマンが手に持って撮影しているかのような安定感がすでに、POVである価値を下げている。
もちろん、わかりやすいと言うことは、敵の姿も捉えやすく、怖さも半減する。
誰かわからない奴からおそわれるということがないから、しかもこちらは武器まで持っているので、「怖い」よりも「ファイトだ!」という感じだ。
ラストの暗視ゴーグルのあたりになると、完全にオカルトになってしまう。
発想はおもしろいとおもうが、それはもうリアリティとはかけ離れた展開だ。
オチも平凡で、ありきたり。
それにしても内容のないパンフレットだ。
あまり裏事情を描けなかったのは察するが、これで600円とは。
200円でできたでしょ!?
「3」は、このマンションから出た話になるのだろうか。
とりあえず前作を見てから考えることにしよう。
監督:ジャウマ・バラゲロ/パコ・プラサ
POVの意味ありますか?
前作から数時間後、そのマンションには人だかりと警察による隔離処置がとられていた。
そこに呼ばれたのはSWATの四人。
彼らはオーウェン博士(ジョナサン・メイヨール)とともにそのマンションに調査に向かう。
頭にはビデオカメラを仕込み、すべてを記録するように言われる。
最上階に行くように指示されるが、その階段は血みどろになっていた。
事態が把握できない彼らは、博士を問いただすが……。
スペインで公開され、あれよあれよという間に話題になり大ヒットを記録した「REC」の第二弾。
話は完全に前作の続きからのようだ。
前作はストーリー程度しか知らないため、違和感があるエピソードもあったが、仕方がない。
ポイント・オブ・ヴューをいかした本作は、「クローバーフィールド」のような臨場感で展開される。
マンションを舞台にしたパニック・ホラーのような設定だが、実際にはオカルト・ホラーだ。
その点を間違うと、大きく期待を裏切られるかもしれないので、注意が必要だ。
あまり上映館数も多くないようなので、見たい人は是非いくべきだ。
映画館じゃないと、この映画はおもしろくないことは間違いない。
▼以下はネタバレあり▼
僕はパニックホラーだと思って見に行ったが、実際にはオカルト・ホラーだったことにだまされてがっかりした人間の一人だ。
前作の魅力を知らないので、なんとも言い難いものがあるのだが、これはちょっと失敗だったと思う。
ポイント・オブ・ヴューであることの魅力は、情報が極端に限定されてしまうということだ。
よって、怖さが増加される。
見せない方が怖い、これはホラーの鉄則である。
残念ながら、この作品の制作陣は、それを全く理解していただいていないようだ。
単純に言って、見せすぎというのがこの映画の最大のマイナスだ。
90分足らずのこの映画で、真相を明かすのが早すぎた。
前作ですでにその真相は明らかになっているからだろうが、あまりにも真相がすぐにわかってしまうので、情報が制限されている、という設定じたいが徒労に化している。
真相は一応書いておこう。
ある実験で悪魔を呼び起こす方法を検討していたが、その実験が完成するも、その悪魔病が伝染してしまう。
その媒体となった少女メデイロスの血液から解毒剤を作らなければ、感染を防げない。
そこで、牧師のオーウェンは博士と偽って、SWATを率いて任務にあたったのだ。
だから、解決方法は科学的だが、原因はオカルトというわけのわからない映画になってしまった。
何がおそってくるかわからないところに、POVの価値があったのに、真相がわかってしまうと、ただの映画になってしまう。
しかも、その設定にまるでリアリティがないために、怖くもない。
ゾンビのように襲いかかる住人たちが、十字架でおとなしくなると言うのはいかにも不自然だ。
それはキリスト教圏でない日本にいる僕だから感じる不自然さかもしれないが、ちょっと無茶だ。
十字架をいっぱい持ってこれば、そんなに苦労しなかったような気さえする。
また、POVなのに、マルチカメラによる撮影が可能になったこともマイナス要因でしかないように思う。
「クローバーフィールド」のような臨場感や日常感がないため、リアリティは感じられない。
そして、カメラがやたらと安定感があるので、酔うこともない。
だから、カメラからこちら側へ恐怖があふれてくるという体験ができないのだ。
カメラの切り替えも、驚くほど巧みで、余計に怖さが減っていく。
わかりやすくカメラを落としたりバッテリーが切れたりするが、そんな演出はどうでもよかった。
普通のカメラマンが手に持って撮影しているかのような安定感がすでに、POVである価値を下げている。
もちろん、わかりやすいと言うことは、敵の姿も捉えやすく、怖さも半減する。
誰かわからない奴からおそわれるということがないから、しかもこちらは武器まで持っているので、「怖い」よりも「ファイトだ!」という感じだ。
ラストの暗視ゴーグルのあたりになると、完全にオカルトになってしまう。
発想はおもしろいとおもうが、それはもうリアリティとはかけ離れた展開だ。
オチも平凡で、ありきたり。
それにしても内容のないパンフレットだ。
あまり裏事情を描けなかったのは察するが、これで600円とは。
200円でできたでしょ!?
「3」は、このマンションから出た話になるのだろうか。
とりあえず前作を見てから考えることにしよう。
私もREC2見ました。
日本人は悪魔に文化的なリアリティを持っていないですが、スペインなどのキリスト教国ではそれなりの効果があるのかもなーと思いました。
進化論的な疑似科学路線のよりも、神学的なオカルトの方にリアリティを感じるのではないかと。
オカルトものは、文化圏の違いによって全然受け取り方が違うのでしょうね。
エイリアンについての考え方もアメリカ人とはおよそ共有できそうにない壁を感じます。
理解はできるのですが、感覚的に共感できるかどうかは別問題です。
とはいうものの、日本のオカルトにもはまれないので、僕は根っからの科学者なのかもしれません。
いや、科学者じゃないんですけど。
そのくせ運命とかを信じてしまうから、よくわかりませんが。
ともかく評価の分かれる作品であることは間違いないようです。