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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」

2016-12-01 17:41:21 | 読書のススメ
★ネタバレなし★
どうしても哲学の本が気になってしまう。
こちらも、Amazonでおすすめされたので、気になっていた。

もともと岡本裕一朗の新書を読んでいたので、引用が多いこと、読むのに骨が折れることは分かっていながら買ってみた。
こちらは、書店で平積みされているものを購入した。

どうしても哲学はある程度翻訳されたり、ある程度時間が経って評価が固まってからのものを読む傾向がある。
いや、それほど読むスピードが速くない私は、どうしても古くなってしまった、あるいは安定した評価を得たものを手に取る傾向がある。
その意味で、「いま」を問題にした哲学の本を読んだのははじめてではないか。

けっこう期待して読んだわけだが、哲学という観点から考えなくても「常識」的な視座だったのが少し残念だった。
いや、哲学は物事の考える最も基礎なのだから当然といえば当然なのだが、新しい視座が得られるといったほどの印象はなかった。
ただ、だれかれの哲学、だけではなく、時事問題や刻々と変化していく世界の情勢を見つめることも、哲学科の役割なのだとしたら、たいへんなお仕事だな、とは思った。

新しい時代が来ている。
そう誰もが言っている。
世界を切る要素がこれだけたくさんある時代で、近代、ポスト近代、そして現代はどのような時代なのか。
大変革が起ころうとしていることは確かだが、複雑になるこの世界で、「歴史」なる一つの物語を見出すことが、後になっても可能なのか、疑問さえある。

思考停止せずに、しがみつく。
考え続ける、それしかないのだろう。

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