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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

山川方夫「夏の葬列」

2016-11-30 15:36:41 | 読書のススメ
★ネタバレなし★
私はこの作家を全然知らなかった。
ただ、私が読んでいる本から、Amazonさんがご丁寧に「これもおすすめ」とリストアップした中に、これがあった。
Amazonのレヴューからこの本が教科書の教材に取られていることを知ったが、私が習ったもののなかにはなかった気がする。
とにかく、ほとんど衝動買いで「ぽちっと」してしまった。

短編集に収められている作品だけではなく、作家その人にも興味をもった。
大江健三郎などと同世代で、若くして事故で亡くなっている。

やはり表題の「夏の葬列」は圧倒的で、これを中学生が習って本当に理解できるのか、いや受け止められるのか疑問なほどだった。
いわゆる戦争教材は私は嫌いだったので、そして「結論」が見えていたので、あまり熱心に中学時代読むことはしてこなかった。
その意味でも、この作品に出会った中学生がどんな反応を示すのか、気になるところではある。

それ以外の作品も、知的なものが多い。
それだけにこの作家が今でも、あるいは年老いた年齢になるまで作品を書き続けられたら、と思わずにはいられない。

安部公房ほど取っつきにくくもなく、現代の作家ほどライトではない。
もう1冊同じ集英社から出ている文庫も買ったので、近々手に取ってみたいと思う。


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