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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

分断される〈分煙〉

2020-11-09 20:39:46 | 毎日コラム
喫煙者はあたりかまわまず吸いまくる。
喫煙しない人にはそれが信じられない。
少なくとも、喫煙しない人には、そのように映る。

それはまさに〈分煙〉である。
喫煙をめぐる断絶。
分断ならぬ〈分煙〉である。

喫煙しない人には「ここではすっていい、というところ以外では吸ってはいけない」と理解して分煙を考えている。
しかし喫煙者は「ここでは吸ってはいけない、というところ以外は吸ってもいいのだ」と考えているきらいがある。(ように映る。)
だから歩きタバコをめぐる問題も解決しない。
(書いてあっても吸っているし。)

ここでは吸ってはいけませんと書いていないのだから(言われていないのだから)当然吸ってもいいだろうとタバコを取り出す。
喫煙しない人にはそれが信じられない。
ほとんどテロリズム的な暴力性すら感じる。
喫煙所以外で吸うなんて考えられない。
その煙はだれが管理してくれるのか、その火の粉はリードがついているのか。
痛烈に嫌悪感を覚える。

この両者の感覚の違いは、まさに分断された世界で生きる、現代社会の問題のように感じる。
そこにはお互いが想像できない立ち位置の違いがある。

左翼か、右翼か、そんなことよりもこの身近な問題こそ線引きしてもらいたい。
そして、その線引きの向こう側は、お互いが政治的な思想よりももっと想像を許さない未知の世界なのだろう。


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