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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

本とインターネット(1)

2020-12-06 11:33:11 | 毎日コラム
本とインターネットの本質的な違いは何か。
そういうことをここ最近考えていた。
感覚的に言えば、本を読んでいる人は自己研鑽している印象を受ける。

スマホでインターネットに勤しんでいる人を見ると、またゲームばかりして!となる。
スマホを触る(インターネットを見る)のはだめで、本は良いのか。
その違いはどこにあるのか。

ほとんど違いはない、という見方もできる。
本でもエンターテイメント性の高いものもあれば、インターネットでも自分を高める知識や技術を磨くことも十分できる。
要はコンテンツの違いであり、コンテンツこそ重要なのだ、という考え方もできる。
一概に本とインターネットを色分けすることはできない。

そうは思いつつも、やはりそこには本質的な何かがあるのではないか、と長く本を読んできた人間には思えてしまう。
その違いは何か、ということをちょっと考えてみたい。

長くなりそうなので観点を絞りながら考えよう。
今日は「終わりがある」という点で比較する。

本には終わりがある。
本という形を取ったからには、必ず終わりがある。
書き切らずに作者が死ぬことがあっても、それが出版された時点で「終わり」と見なすことができる。
終わりがあるからこそ、評価ができる。

これは表現において極めて根源的な要素だ。
終わらなければひとまとまりのメッセージとして受け取ることができない。
それは「出した後に訂正が聞かない(基本的に)」ということでもある。
だからこそ、読み手はその意味(意図)を受け取ることができる。

だが、インターネットは「終わり」がない。
終わったと思っても続けることができる。
いつまでも終わりがないのが、インターネットである。
だからこそ、その評価が定まることがない。
あとでいくらでも訂正がきく以上、日々更新される生き物のように漂うことになる。

それは表現という観点から見ると決定的な違いである。
インターネットがしばしば「信用ならない」と言われる一つの所以だろう。



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