銅版画制作の日々

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悲夢★SAD DREAM

2009-03-24 | 映画:ミニシアター

キム・ギドク ×オダギリジョー

日韓の才能が集結!

3月21日公開。公開初日の鑑賞となりました。めったに公開初日に行くことないのですが・・・・。夕方からの2回上映のみ。何で?他の作品はかなり多く上映回数多いのに。この作品の上映回数は少ない。やはり一般受けしないのかな?

あのキム・キドク監督作品に、オダギリ・ジョーが主演として登場するのだから、見逃がすわけにはいかない。奇跡のコラボレーションが遂に実現。何でもオダギリ・ジョーは日本を代表する俳優として韓国でNO。1の人気を誇る存在らしい。そんなオダジョーが、鬼才キム・キドク監督のオファーを受けたというのだから、凄いことですよね。

愛こそが人生だーーーー。というキム監督は“愛”をテーマに今回も凄い愛に焦点をあてた映画である。独特な映像は、観るものに衝撃を与えてくれる。

テーマは“恋愛の限界”と“夢のつながり”

この“恋愛の限界”というのが、この映画を観てヒシヒシと感じる。痛々しいくらい愛を交わすというのが本当に怖いくらいである。夢を見たことによって人生を変えてしまうというのだから、夢を見ないで我慢しようとするオダジョー演じる主人公ジンの苦しさがこちらにも痛いほど切なく伝わる。何でここまで自分を痛めつけなければいけないの?目を見開こうと努力するジンの表情が目に焼きついた。両手でまぶたを引っ張り目をつぶらなようにするの必死の努力に、ちょっと笑ってしまうことも。

物語の発起点は、監督が見た夢と「胡蝶の夢」

ストーリーは、キム・キドクが2年前に実際に見たある夢から生まれている。それは車の助手席に乗った自分がある日、自動車事故に遭遇するという夢だ。しかし、彼の心には事故を起したのは自分だという思いがなぜか残りつづけた。その違和感が、その後「胡蝶の夢」の故事成語(蝶となり花上に遊ぶ夢を見た荘子が、夢」か現実かはっきりとしなかったこと)と結びついて、この独創的な物語を誕生させる。夢と現実の境界とは?生と死の境界とは?多くの問いを提示するこの作品で、キム・キドクは「愛はあらゆる境界を超える」という究極の答えを導きだしている。
オダギリ・ジョーとイ・ナヨンのふたりに訪れる衝撃の結末は、夢と現実が融合する美しい瞬間を象徴的にスクリーンに映し出すのだ。

ということで詳しく「悲夢」のストーリーを書いていきます。

   別れた恋人を忘れられない男。

別れた恋人が憎くてたまらない女。

     男は夜ごと、夢の中でかっての恋人と再会する。

男の夢に呼応するように、女はかっての恋人と現実のときを過ごす。

                          そして、男と女は出会った。 

                襲いくる夢の数々に、必死であらがうふたり。

      彼らは悲しい運命を変えるため、静かに、激しい恋に落ちていく。

         それがたとえ叶わぬ恋であってもーーーー。

STORY

深夜、ジンは別れた恋人を追って」、車を走らせていた。ところが、路地から別の車が急発進してきて、ジンはその車に追突してしまう。負傷した運転手を横目に、恋人を見失わないように再び車を走らせる。しかし今度は酒に酔った男が路上に飛び出してきて、ジンは慌ててハンドルを切る。そこでーーー彼はようやく夢から目覚めるのだった。

現実に戻ってもあまりに鮮明な夢に落ち着かない。夢のとおり、車に乗って走ることに。サイレンの音が聞こえた。その音を追って車を走らせたら、何と夢で見た車の事故が目の前で実際に・・・・・。夢と同じなのだ!監視カメラの画像から、警察に身柄を拘束されたのはラン(イ・ナヨン)。彼女は夢遊病。まるでジンの夢に呼応するかのように、現実に行動を起していた。驚きだ!夢が現実になったのは自分のせいだとランに詫びる。彼女はジンの不可解な話に理解できず、「どうしてあなたのせいなの?」と詰め寄る。

ジンの仕事は篆刻師のようです。

 ランはデザイナーのよう。

再び、別れた恋人の夢を見たジンは、気になりランのもとへ。彼女はやはり、夢の中のジンと同じように、何ものかに顔を殴打されていた!彼女が夢遊病の中で会っていたのは、かって彼女が捨てた男。ジンは捨てられた恋人を忘れられないのと正反対に、ランはかっての恋人を心から嫌悪していた。夢で別れた恋人と会って幸せなジンと、憎い男と不幸な時間を過ごすラン。

そんな彼らに、ふたりが愛し合えば夢は消え、夢遊病も治るだろうと、精神科医は告げる。「さもなければ、ふたりは不幸に見舞われるかもしれない。忘れないで」と・・・。

 

眠らないように、互いに監視し合うふたり。しかし睡魔は彼らに執拗に襲い、夢はだんだんエスカレートしていく。別れた恋人の体を求めるジンの夢に反応して憎くてたまらないかっての恋人に抱かれるラン。どうしてそんな夢を見るのか?とジンを激しく叱責するランだったが・・・・・。

彼の恋人に対する切実な想いを知り、ふたりはやがて愛情で結ばれていく。だがそんな睦まじい日々は続かなかった。

2人は寺を散歩する。

突然姿を消すラン。ようやく夜になって、彼女はジンの元に。ランの口から「蝶を追っていた」と聞かされる。何って??

ジンは、別れた恋人の情事を邪魔し、そしてその相手を撲殺してしまう夢を見る。ハッと気づいたジンが急いで現場に駆けつけると、ランは血まみれになったかっての恋人の隣でぐったりと横たわっていた。

逮捕されて精神病棟に収監されるラン。二度と夢は見ないと誓ったジン。

彼は自らの体に刃を立ててまで必死に眠りに耐えようとした。この場面はかなりクレィジー!

傷だらけの姿でジンはランに面会に訪れる。「死んだら夢もなくなる」とその決意をランに伝える。そんな彼の顔を鉄格子越しに優しく手で覆ったランは、「愛している」と初めて彼への想いを口にした。遂に心から結ばれたふたりに、最後の瞬間、ある奇跡が訪れるーーーー。

キム・キドクの不思議な映像美

ランはジンにもらった蝶のペンダントをずるずると口に飲み込んでいく。そして彼女は鉄格子の窓に布で紐を括りつける。まさに自らの命を絶とうとしている。その瞬間、奇跡が起こった。彼女の姿はあるものに変わる。

ジンも橋の上から自らの命を絶つ・・・・・。

 


白い雪の上に落ちたジン、そこにランがやって来た。

これこそ究極の愛・・・・・。現実では叶わなかったふたりは黄泉の国で結ばれたのかもしれない。

オダギリ・ジョー扮するジンは日本語でしか話さない。ハングル語を話する人たちと自在に会話が出来るというのも、何か面白い。まったく違和感も感じられず・・・・・。これもキム・キドクならではの手法なのだろう。キム・キドクワールドは現代の愛のおとぎ話なのでは?といつも思ってしまう。

 監督・脚本:キム・キドク

 

 撮影風景

「サマリア」「ブレス」の奇才キム・ギドク監督がオダギリジョーを主演に迎えて贈る異色の恋愛ドラマ。不思議な夢に翻弄される男女の切ない運命を幻想的なタッチで綴る。共演は「小さな恋のステップ」「私たちの幸せな時間」のイ・ナヨン。

悲夢に出演したオダギリ・ジョーやイ・ナヨンのインタビューはこちらから!

※ちょっと余談ですが、イ・ナヨンって菅野美穂に似ていませんか? オダジョーが主演ということで、かなり期待度高い作品でしたが・・・・。どうなのでしょうか?前作「ブレス」を越えるほどでもなかったような気がします。
 

その他のキャスト

  • パク・チア- ジンの恋人
  • キム・テヒョン
  • 特別出演 チャン・ミヒ(精神科医)
  • メディア 映画
    上映時間 93分
    製作国 韓国/日本
    公開情報 劇場公開(スタイルジャム)
    初公開年月 2009/02/07
    ジャンル ドラマ/ロマンス/ファンタジー
    映倫

    PG-12

     

     狂おしいほど切ない、
                     愛しい人に出会う夢

    オフィシャル・サイト
    http://hi-mu.jp/


     

     

Comments (4)
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