街の小さなエステサロン
ここは、美しさよりも大切なものが見つかる場所
3月24日、京都みなみ会館にて鑑賞。レバノン映画だそうです。レバノンといえば、中東ですね。物語の舞台はレバノンの首都ベイルート。エステサロンとキャラメルか・・・。最初一体この二つの接点って何?と疑問に思ったのですが。観ているうちに、わかりました。何と脱毛の道具がキャラメルなんですね。固まったキャラメルではありません。粘々状態のキャラメルで足の毛を取るのです。熱いからそれは大変みたいです。
STORY
ベイルートの街角にある小さなエステサロン。オーナーのラヤールは30歳で独身、既婚の恋人に振り回されながらも、電話を心待ちにしている。そんな彼女の姿を心配顔で見ているスタッフのニスリンは28歳。もうすぐ恋人との結婚が間近に控えている。
ラヤール(ナディーン・ラバキー)
本作の主演、監督、脚本を彼女が手がけました。
左から、リマ、ジャマル、ニスリン。手前がラヤール
何とナディーン以外のキャスト陣は皆さん、まったくの素人だそうです。それにしても皆さん、プロの役者さんに引けをとらず、素晴らしい演技でした。等身大と言うわけではありませんが、それぞれ感じるところが共感できたのかもしれませんね。
もう一人のスタッフ、24歳のリマは騒がしいサロンの中で黙々と仕事をこなしているが、長い黒髪の女性客に目を奪われる。
サロンの常連、ジャマルはオーディションを受け続けるが上手くいかず、イライラする気持ち抑えられず髪型気に入らないとニスリンに八つ当たり。
そんな賑やかなエステサロンの向かいで、ひっそり仕立て屋を営む65歳のローズは年老いた姉リリーの世話のために自分の人生を犠牲にしている。そんなある日、店に老紳士チャールズがスーツの直しを頼みにやって来た。彼のスーツを直しながら、ローズは忘れかけていた気持ちを思い出し、心がときめくのを感じていた。
左が姉のリリー(アジーザ・セマアーン)いい味出していました。路上で偶然出会ったとき、彼女がリリーだと思ったそうです。ナディーン評→とてもおとなしくて、面白い人
右が妹ローズ(シハーム・ハッダード)、素顔は普通の家庭の主婦だそうです。
シハームの人間性と抑圧された雰囲気に魅了された←ナディーン評
ラヤールに密かな恋心を持つユーセフ。
恋人に呼び出され、仕事を中断して車で会いに行くラヤール。駐車違反でいつもうるさく注意してくる警察官のユーセフが自分に好意を寄せていることに気づかない。恋人との逢瀬の後、彼が財布を忘れていることに気づく。嫉妬と好奇心に負け、財布の中身を見たら、何と妻と娘の写真を発見!
一方、自分の外見を過剰なまで意識するジャマルは、若い恋人に夢中になっている別居中の夫と思春期の2人の子供にイライラする毎日。満たされない毎日の生活の中でも、自分の存在価値を認めたいのか何度もオーディション会場に足を運ぶ。そんな会場で若い女性を見るにつけ、自分の容姿と比較してしまい、また気持ちは不機嫌になってしまう。
ラヤールは、彼の誕生日を一緒に過ごすため、ホテルを予約しようとする。夫と泊まると嘘をついても、身分証の提示を求められるため独身の彼女が宿泊できるホテルは見つからず・・・・。結局、場末の安ホテルを予約することに。薄汚れた室内を隅々まで掃除、飾りつけから手作りケーキも準備して、恋人の連絡を待つことに。しかし、ホテルには現れず、「妻とは別れられない」という一言だけのメールが届く。
暗いホテルでひとり傷心状態のラヤールの元に、ニスリン、リマ、ジャマルたちがやって来た。家族に嘘をついている自分に恥じ、涙するラヤールの姿。ニスリンは突然泣き出す。彼女も誰にも打ち明けられない秘密が・・・・。「実は彼が初めてじゃないの」厳格なイスラム教徒の家庭で育ったニスリン、この悩みを誰にも言えず悩んでいた。
身勝手な恋人への思いを断ち切るかのように、彼の妻と接触するラヤール。
愛する人との結婚のために、一大決心をするニスリン(ヤスミン・アル=マスリー)。
ヤスミンはパリで美術とオリエンタル・ダンスを勉強していた。友人だそうです。性格の強さから、ニスリン役は彼女以外考えられなかったという。
度々訪れる長い黒髪の女性に、どうしょうもなく惹かれてリマ(ジョアンナ・ムカルゼル)。
(ジョアンナの本職は大手の家電メーカーのビジネス・マネージャー、ナディーンは彼女の自然さと活気溢れるところに魅了されたという。)
リマの惹かれる黒髪の女性はリマの手で髪をばっさり!
長い黒髪のミステリアスな女性役(ファーティマ・サファー)
年齢を重ね、見た目も身体も変化していく自分を受けられないジャマル(ジゼル・アウワード)。
(ジゼルは会社で秘書をしています。寛大で外交的な性格が役柄にぴったりでした。)
そしてローズは、チャールズに会うために髪を整え、化粧し、美しいワンピースに袖を通す。
さまざまな思いを胸に、5人の女性が待ちに待ったニスリンの結婚式が明日に迫る・・・。
様々な宗教が共存するレバノンの国情を背景に、ベイルートのエステサロンに集うそれぞれに悩みを抱えた女性たちの恋と友情を描く群像ドラマ。監督は本作の主演も務めるナディーン・ラバキー。(all cinemaより抜粋)
お国柄やそこで生きる年齢、生い立ち、実生活、皆色々な悩みを抱えながら、お互いに助け合うのが、この映画の素晴らしさでしょうか。派手な映画と違って味のあるいい映画でした。特にリリーが好きですね。
メディア | 映画 |
上映時間 | 96分 |
製作国 | レバノン/フランス |
公開情報 | 劇場公開(セテラ・インターナショナル) |
初公開年月 | 2009/01/31 |
ジャンル | ドラマ |
街の小さなエステサロン 【ウェブリンク】
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