ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

バナナ指の男と200年ベースを弾いている男

2006年03月17日 | ネタをたずねて三千里
♪ぼくの左手。生命線は健在。


 「お前の手はベーシスト向きにできてるな~」と時々言われる。
 指が人より少し長いのだ。
 手そのもの、つまり「手のひらと手首の境」から「中指の先端」までだけを比べると、とくに大きいわけじゃない。といって小さいわけでもないが。つまり、まあ、手の大きさは人並みってところだ。
 手のひらだけを見てみると、はっきり言って小さめである。小さくて可愛いらしい(嘘)。小さいといっても、もちろん小学生なんかよりははるかに大きいのであるが。女性でも、ぼくと同じくらいか、ぼくより大きめの手のひらを持つ人は結構いる。
 しかし、指の長さで遅れを取ったことはそうそうはない。しかもよく広がる。人差し指と中指を平行に広げると、その間がラクに11cm以上にはなる。
 長くてよく広がる指を持つということは、神様から「お前、大人になったらベースを弾くんやで」と言われているようなもんである。


 ただし、ベースを弾く時以外に「指が長くてほんっっっっとに良かった」と思えることなんてほとんどない。あるとすれば、野球をする時にフォークボールを投げやすいとか、たまにピアニストに羨ましがられる(ピアノを弾く時も指が長い方が便利らしい)ことがあるくらいだ。
 しかしそもそも、フォークボールを投げられることが日常生活に何か役立つとでもいうのだろうか。それ以前に、自分の生涯でこの先フォークボールを投げる機会が何球あるというのだ。(笑)


 ずーっと前に、あるライヴを聴きに行った。黒人4人編成で、ファンクとかフュージョンなんかを演っているバンドだった。ベーシストは、ホィットニー・ヒューストンだか誰だかのバックを務めていたこともあるという人で、エレクトリック・ベースを使って、そりゃあもう凄まじいプレイを見せてくれた。
 ライヴのあとでそのベーシストと話す機会があった。もちろん向こうは英語しか喋れないし、ぼくが話せるのも日本語とカタコトの英語だけだ。
 「自分もベースを弾いている」と言うと、「オマエはベーシストでは誰が好きなのか」と訊ねてきた(それくらいの英語は分かるのだ)。ぼくがとりあえず、「え~と、ポール・マッカートニー、、、あ~んど・・・」と言いかけると、さも小バカにしたように「OH~ ┐(´ー`)┌」とかなんとか言いやがった(暴言シツレイ)(せめて オー、ナガシマ くらい言ってみやがれってんだ笑)。
 まあ、やっぱり黒人独特の好みみたいなのがあるってことなんだろう。
 

 ぼくは彼の手や指の大きさを見てみたかったので、「あい わな しー ゆあ はんど、ぷりーず」と頼んでみた。彼は「OK、OK」と言って、すぐ両手を広げて見せてくれた。手自体の長さ(手首と手のひらの境から中指の先端まで)は、やはり彼の方が多少大きかったのだが、それよりもビックリしたのが指の太さ。まるで手のひらにモンキーバナナが5本生えているみたいなのだ。
 あんなブッとい音が出る秘密はこの指の太さにもあったのか!
 思わず「ゆあ ふぃんがーず るっく らいく ばななず」と口走ったら、それがヤツのツボに入ったらしく、「HA~HA HA HA!」と豪快に大笑いしてくれた。「お前は黄門様か」っていうくらい。でもとにかく、雰囲気がほぐれて良かったよ
 それにしてもなんでヤツらはあんなにオーバー・アクションなんだろうね。


 ともかく、それがきっかけとなって彼もちょっと打ち解けたようで、「トコロデオマエハべーすヲナンネンヒイテルノダ?」と訊ねてきた。でも、英語の意味がすぐには全部分からなかったうえに、いいカッコして流暢に答えてやろうしたのでアワテてしまい、「About 20years」というところを、とっさに「あばうと つー はんどれっど いやーず!」と自信たっぷりに答えてしまったのよ・・・(恥)
 するとヤツはスキッ歯を見せながら満面の笑みで「グレイト! ヘ~イ マイ ブラザー!(註:オマエはオレのミシンだ、という意味ではない) WA~HAHAHA!」と大喜びしてくれた。


 200年・・・。ぼくは松平定信が寛政の改革を行っていた頃からベースを弾いてるのか・・・
 200年も弾いてたら、指先は楽器にピタリとフィットし、指は長く太く、しかも柔らかに動くように進化したことだろう。
 まるで2本足で歩くタコですね(笑)


 ま、一種の日米交流にはなったかな。ヤレヤレ。


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コメント (10)
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