ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

おぼろ月夜

2006年03月21日 | 随想録

♪おぼろ月夜。イメージです。


【おぼろ(朧)】=輪郭などがぼんやりと霞んでいる様子。
【おぼろ月夜】=春の月がぼんやり霞んで見える夜。


■おぼろ月夜
■1912年
■作詞…高野辰之
■作曲…岡野貞一


 春霞みがかかったような夜空です。こういう夜に出る月をおぼろ月夜、と言うんでしょうね。
 この「おぼろ月夜」という歌は、1912年に尋常小学校四年生唱歌に制定されました。小学校時代の音楽の時間に習った人も多いんじゃないかな。
 この高野-岡野のコンビは、「春の小川」、「故郷」、「春がきた」など、数々の名曲を生み出していることでも知られています。


     
     おぼろ月夜。風情があるなあ、やっぱり。(イメージです)
 

 日本情緒豊かでとても叙情的な歌詞と、しっとりとしていて心に沁みるようなメロディーが美しい曲ですよね。最初にお断りしておきますが、ほんとうに良い曲だと思います。
 「おぼろ月夜」の歌で思い出すことがあります。


 小学生、それも男子というのは、しょうがないもので、音楽や図工の時間になるとおかしな張り切り方をするヤツが必ずいるのです。おかしな張り切り方、というより、ブレーキがぶっ壊れたようにふざけ倒すんですよ。(身に覚え


菜の花畑に 入り日薄れ
見わたす山の端(は) 霞ふかし
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し

里わの火影(ほかげ)も 森の色も
田中の小径(こみち)を たどる人も
蛙(かわず)の鳴く音(ね)も 鐘の音も
さながら霞める
 おぼろ月夜


 忘れもしない小学校6年の音楽の時間。
 オオハシ先生(男)の弾くオルガンに合わせて、「おぼろ月夜」を合唱します。
 でも、小6のクソガキ(失礼)に、この名曲を味わおうなんて殊勝な心があろうはずがない。

 
 半ばイヤイヤ、半ばダルダルで歌ってたんですけどね。
 そのうち、あることがきっかけでクソガキ(失礼)共が急に声を張り上げて大合唱をはじめた、と思ってやってくださいまし。
 だいたい、すぐにしょーもない替え歌を思いつくヤツというのはどこにでもいるものです。(その頭を勉強に使え)(もう遅いっちゅーねん)


 ~♪さなが~ら かすめ~る オンボ~ロづきよ~


 これをチョーシに乗って大声で何度も歌うもんだから、しまいには先生がマジギレしてしまったんです。

 ダレじゃコラァ! 出てこいコラァァ!!

 日頃温厚な先生だっただけに、その見事なキレっぷりにぼくらはもうそりゃあビビりまくってしまった。たぶん、ムシの居所が悪かったんだと思うけど。とにかく先生、ホンマにあの時は済みませんでした。
 そしてぼくを含む7~8人が前に引っ張り出されて、頭のテッペンにグーを頂きました。


 強烈なゲンコツを食らったぼくの目に見えたのは、おぼろ月夜ではなくて、だったのよ。


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コメント (14)
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