先日、「もんた&ブラザーズ再結成」のニュースが流れてきましたね。オリジナル・メンバーで、実に23年ぶりの再結成だそうです。
もんた氏は、「このメンバーでもう一度やりたかった」「もう一度演奏する喜びを味わいたかった」「おれはどこまでいってもミュージシャン。そんな自分が好き」「バント遊びほど面白い遊びはない」などのコメントを発表しています。
もんたよしのり氏は、中学時代はビートルズのコピーに熱中、高校時代にR&Bやソウル・ミュージックに触れ、強く感化されてゆきます。
21歳の時に上京し、シングル「この足の鎖ひきちぎりたい」でソロ・シンガーとしてデビューしますが、以後鳴かず飛ばず。29歳の時に、ついに東京での活動に限界を感じて帰郷しましたが、音楽をあきらめきれずなおも作曲活動を続けました。
翌1980年、自分自身最後のチャンスとして「もんた&ブラザーズ」を結成、再デビューします。この時に発表したシングルが「ダンシング・オールナイト」でした。
80年4月のシングル発表当時は全く話題になりませんでしたが、まず有線放送で火がつきます。次いで、同年5月最終週のオリコン・チャートに19位で登場。翌6月第2週からはなんと10週連続チャート1位という大ヒットを記録、年間チャートでも160万枚を売り上げて1位となりました。
また、TBS系のチャート番組「ザ・ベストテン」の年間チャートでも2位にランクされたほか、1980年代でもっとも売れたシングルにもなりました(1980年代オリコンシングル売り上げランキング1位)。
年末の賞レースでも「日本歌謡大賞放送音楽特別賞」「全日本有線放送大賞」「レコード大賞金賞」などを受賞し、紅白歌合戦にも出場しました。
R&Bやソウル・ミュージックに裏打ちされたもんた氏のエネルギッシュなハスキー・ヴォイスは鮮烈な印象を残します。また、水谷啓二氏の書いた詞の世界には、憂いを含んだ適度な歌謡曲ぽさにロックがブレンドされたウェットな音がよく似合っています。ホーン・セクションがいい感じのソウル色を出していますし、ギター・ソロもカッコいいです。ボトムを支えるベースとドラムスのコンビネーションもキマっていますね。
もんた&ブラザーズはこの後も「赤いアンブレラ」「デザイアー」「ウインド&レイニー・デイ」などをスマッシュ・ヒットさせ、人気バンドに成長してゆきます。83年にはもんた氏が西城秀樹氏に提供した「ギャランドゥ」が大ヒット、レコード大賞を受賞しています。その他、大橋純子さんとのデュエット「夏女ソニア」のヒットが記憶に残っています。
しかし、ある時期から「ステージで歌うことがイヤになり、形だけで演奏するようになってしまった」と、84年にバンドは解散します。
その後、もんた氏はソロ・シンガーとして活動していたほか、俳優としても活動を続けていました。また他のメンバーも地道に音楽活動に携わっていたようです。
再結成した「もんた&ブラザーズ2007」
もんた氏は、いっときは「もう二度と『ダンシング・オールナイト』は歌いたくない」といった意味の発言をしていましたが、ようやくその頃の呪縛から解き放たれたからこそ再結成に至ったのでしょう。
「もんた&ブラザーズ2007」は9月26日に「SHIBUYA-AX」、10月8日には「なんばHatch」で復活ライヴを行う予定だそうです。
[歌 詞]
◆ダンシング・オールナイト
■歌・演奏
もんた&ブラザーズ
■シングル・リリース
1980年4月21日
■作詞
水谷啓二
■作曲
もんたよしのり
■収録アルバム
Act1(1980年)
■録音メンバー
もんたよしのり(vocal)
高橋誠(guitar)
豊島修一(guitar)
林政宏(keyboards)
渡辺茂(bass)
マーティー・ブレイシー(drums)
■チャート最高位
1980年週間シングル・チャート 1位(オリコン)
1980年年間シングル・チャート 1位(オリコン)