ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

T.レックス (T.REX)

2007年07月15日 | ミュージシャン
 
♪お気に入りアーティスト62


T.レックス (T.REX)
 ☆マーク・ボラン(vo,g)
 ☆ミッキー・フィン(per,vo)
 ☆スティーヴ・カーリー(b)
 ☆ビル・レジェンド(drs)
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 布袋寅泰、反町隆史、浅野忠信の3人が登場する、トヨタ「VOXY」のCMに使われている曲がT.レックスの「20センチュリー・ボーイ」です。世界卓球選手権2007のCMにも使われていましたね。
 シンプルながら荒々しいギター・リフで始まる「20センチュリー・ボーイ」、全編に流れるハイ・トーンのコーラスとハードなギターが印象的です。


     


 T.レックスのリーダーであるマーク・ボランがデビューしたのは1965年です。67年からはスティーヴ・トゥック(per)とデュオを組み、「ティラノザウルス・レックス」の名で活動を開始します(のちミッキー・フィン(per)とデュオを組む)。バンドの形態になったのは70年。この時バンド名も「T.レックス」と変えました。ちなみにティラノサウルスの「ティラノ」は「支配的な」、「サウルス」は「トカゲ」、「レックス」はラテン語で「国王」の意味を持っています。


     


 T.レックスは、俗に「ボラン・ブギー」と呼ばれる、ブギーを基調としたシンプルなロックンロールを確立します。その独特のエレクトリック・ブギー・サウンドからは「ゲット・イット・オン」「テレグラム・サム」「メタル・グゥルー」などヒット曲が立て続けに生まれました。この頃の彼らのシングルは10曲連続で全英TOP5入り、うち4曲が全英No.1という驚異的なセールスを記録、その人気はたちまちイギリス中に広がりました。その数々のヒット曲から生まれる快感は「T.レクスタシー」などと言われていました。


     

     
 レスポールを持ったマーク・ボランの姿、実にキマってます。彼は銀ラメのスーツに身を包み、派手なメーキャップを施し、「グラム・ロック」の象徴として一躍爆発的な人気を得ます。
 この頃のT.レックスは日本でも非常に人気が高く、当時の「ミュージック・ライフ」誌を見てみると、毎号のようにカラー・グラビアに登場しています。


     


 「グラム・ロック」は1970年代前半のロック界を席捲したムーヴメントです。いわゆる「ヴィジュアル系」の元祖、と言ってもいいのではないでしょうか。
 メイクをしたマーク・ボランは、デヴィッド・ボウイーらとともに「グラム・ロック」の中心的存在として君臨しました。その人気の高さは、リンゴ・スターに「T.レックスは70年代のビートルズだ」と言わしめたことでも分かるでしょう。


 T.レックスのサウンドは、中性的で、退廃的な雰囲気を持つマーク・ボランの容貌とあいまって、ミステリアスでどこかアンダーグラウンドな感じがします。やや一本調子ではありますが、単純なリフはノリがよく、メロディーもポップです。どちらかというと気だるいヴォーカルには妖しさと色気があり、女声コーラスや大胆なストリングスの使用はゴージャスで少々チープです。


               
     「電気の武者」(1971年)「ザ・スライダー」(1972年) 


 T.レックスは、アメリカでは「ゲット・イット・オン」がヒットした程度でしたが、イギリスと日本では圧倒的な人気を誇りました。そんな彼らの人気も1974年を境に翳りが見え始め、バンドも一時は解散状態に陥ります。
 77年、ボランは新生T.レックスを結成しますが、これからという時に自動車事故のため29歳で夭折しました。生前、ボランは「自分は30歳になる前に死ぬだろう」と口癖のように話していたといいます。


 しかし、マーク・ボランの存在は、その死後もロック界に影響を及ぼし続け、今でも多くのフォロワーを生んでいます。


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コメント (8)
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