
前回のブログでは、思春期の子どもを理屈で説得するのは難しいといいました。
では、最初に戻って、なぜ教員や親など大人は、理屈を使おうとするのでしょうか。
それは、子どもをコントロールしょうとするからです。子どもをコントロールできると思っているからです。
子どもには、その子の人格があります。意思があります。考えがあります。感情をもっています。
そもそも、人が人を自分の思いどおりにするなんてことは無理だと、私は考えます。ですから、三中の教職員を自分の思いどおりにはできるものではないと思っています。このことは、大人同士なら、当然わかっていることです。
しかし、大人は、相手が子どもであると、コントロールしょうとしてしまいがちになるのです。その結果、うまくいかず、大人は腹を立て「言うことをきかない子だ」となり、子どもには反発心が生まれます。そして教員と生徒、親と子の人間関係はうまくいかなくなります。
子どもが小学校の低学年なら、何とかなりますが、思春期になると大人が子どもをコントロールすることは無理なのです。
では、どうすればいいのでしょうか。子どもを動かすには、子どもの気持ちを動かすのです。それが思春期の子どもを対象にした生徒指導であるし、子育てであるのです。
部活をさぼって帰ってしまう生徒に、別室へ呼んで教員が説教をします。説教でクラブの大切さをわからせ、クラブに来るかようにさせたいからです。
その生徒は、クラブに行かなければならないことも、説教されたからといってクラブに行く気になるのではないことも、知っています。
したがって、いくら説教しても、生徒の心には響かなくなります。
もっとも、数日間はクラブに来るかもしれません。ですがしばらくすると、また来なくなります。
そこで、子どもに行動させようとするのではなく、気持ちや心を動かすためには、なにを言えばいいのかという視点が大切になるのです。
そのためには、子どもの願いや思いに触れる必要があります。子どもが、いまどうしたいのか、なにをやりたいのかを理解します。
それをふまえて、どうしたらその気持ちを動かすことができるのかを考えなければなりません。ずっと同じ視点で子どもをみていたら、それは見えてこないのです。