子どもたちにとって、SDGsは自分たちが進むべき道を示してくれるものです。
SDGs学習を始めるときには、いきなり17の目標に入る前に、まずは課題を解決しようとするのは何をめざすからなのかを考えることを、学習の導入にもっていきたいものです。
「私たちが担う未来とはどんなものなのだろう」。「一つの地球で共に生きていくうえで、何を大切にするのだろうか」。
日本ユニセフ協会は、学校でのSDGs学習に活用してほしいという願いで、ウェブサイト「SDGs CLUB」を設けています。
SDGsが生まれてきた背景やどんな世界をめざすのかが理解できるようになっています。
さて、その「SDGs CLUB」には、児童生徒が行動宣言を書き込めることができる投稿ページがあります。
それを見る限りにおいては、子どもたちの行動宣言は、身近なことで、「プラスチックゴミを減らすため、マイバッグ・マイボトルをもつ」「飢餓で苦しむ人を助けるため、フードロスをなくしていく」などの書き込みが多くなっています。
このような自分の気づきは価値のあるものです。世界を変えるはじめの一歩です。
ただし、マイバッグをもつ、食べ残しをしないだけでとどまってしまったら、その先の課題解決にはたどり着かないでしょう。
そこで、指導者(学校の先生)は、次の発問をできるかどうかが手腕を問われます。
「日本でプラスチックゴミを減らすことが、どのように地球温暖化を止めることになるのだろう」とか「どのように海の豊かさをまもることになるのだろう」。
「フードロスをなくせば、なぜ飢餓で苦しむ外国の人を助けるのだろう」
フードロスの場合なら、自分がフードロスをなくしたとしても、そのことで直接飢餓で苦しむ人の食事が変わるわけではない。
では、世界で食料はどのように生産されて、どう分配されているのか。どうして食糧危機が起きているのか。
学びはさらにその先の学びにつながり、食料にかかわる課題の構造が見えてきます。
この構造やしくみを明らかにすることがSDGs学習のポイントです。、課題解決のために考えたり、行動するところまで高まった学習をして、身近に痔ることを考え実行する。
こういうSDGs学習が必要になるのです。