
前回のブログでは、男性のみならず女性が働く社会が到来していることを紹介しました。
この就労状況の変化とともに、家庭と教育のありようも影響を受けます。
仕事・家庭・教育が、お互いにどう関連しているのか。
わが国が高度経済成長期だった頃をみてみます。安定経済成長期には、仕事と家庭と教育が密接につながり循環していました。
①子どもが大学を卒業する間に、就職の内定をとり、4月からは企業に就職する。終身雇用制と給料の年功序列制により、収入の安定。(仕事)
②結婚して、家庭をもち子どもが生まれる。一家の生計は、おもに父親の収入でまわる。電化製品やマイホームを購入して、母親はおもに子育てに専念する。(家庭)
③子どもを習いごとや学習塾に通わせ、「いい高校」、「いい大学」に入れるように教育熱心になる。(教育)
そして、大学卒業後子どもは仕事に就く。これが1960年代から80年代まで続きました。
このように、高度経済成長期、安定経済成長期には、①→②→③が関連しあい、循環していしました。
しかし、バブル経済が崩壊したあと、様相は大きく変わりました。
仕事は、非正規が増え、収入の不安定は、結婚をためらう人を増やし、新しい家庭ができにくくなります。
また、結婚だけがすべてではないという価値観の変化、女性も一生働きたいという人の増加。
女性の自立の意識の高まり、男性の育児参加という流れができあがってきています。
これらの流れは必然であり、いまや以前の仕事・家庭・教育の循環は、大きく崩れているのが、いまの日本社会です。
しかし、一方では循環の流れにしがみつく人たちは、厳しく不透明な社会状況に対応するため、少子化になった数少ないわが子に、ありったけの資源を注ぎ、子どもの教育に、以前以上に熱心になる傾向が出てきます。
この傾向は、箕面市のように、経済的に比較的豊かな人びとが住む地域では、顕著に出てきます。
したがって、受験や進学への情熱は、加速して高まっているのがいまの箕面市の状況です。
それは、30年以上箕面市の学校教育にかかわる私の実感です。
この状況を踏まえたうえで、三中生に学力をつけ、生活習慣を確立し、他者とかかわりあい、調和しながら、社会で生きていく力を育んでいくことが求められていると考えます。