親が子どもに話をするなかには、ふつうのたわいのない話を除けば、子どもにとってうれしい話もあれば、イヤな話もあります。
イヤな話とは、ときとして「説教」になります。責められたり、怒られたり、子どもとしてはできれば聞きたくない話のことです。
そして、このイヤな話は、長くなる傾向があります。親には、ちゃんと伝えたいという気持ちがはたらき、長くなり、グチグチしつこく言うことになります。
グチグチ長い話になると、言われる側の子どもは反発を覚え、素直に聞かなくなります。
それは、はた目から見ていてもよくわかります。三中で、教員が生徒を指導しているとき、ときには感じることがあります。
生徒が退屈そうにしている様子や下を向くような様子や表情から、素直に聞いていないことが伝わってきます。
子どもが、「うざい」とか「早く終わらないかなあ」と感じ出すと、どれだけ長い話をしても子どもには、おとなのいいたいことやわかってほしいことが伝わりません。
そもそも、子どもが話を聴く集中力はそれほど長くないのです。
ですから、子どもにとってのイヤな話は、短くするのがポイントです。
一方、子どもにとってうれしい話は長くしてもいいのに、言葉を尽くして話さず、短い言葉で終わってしまう場合が多いようです。
部活の試合や大会で努力を重ねて初勝利をおさめたわが子に対して、親御さんが「よかった。次もしっかりね!」で終わってしまうことはありませんか。
それどころか、20点の数学のテストを60点まで引き上げた子に対して、「がんばった。次は80点よ」とか「次は理科もがんばりなさい」などのよけいなことばを加えて、すませてしまう。
子どもの努力のプロセスをふりかえり、子どもの残した記録に意味づけをする話かけをするなら、うれしい話は長くなってもかまわないのです。
また、イヤな話を短くしたあとのフォローも重要です。短いイヤな話を終えると、気持ちを切り替えるために、すぐに話題を変えて、まったく違う話をすることで、イヤな話を引きづることなく親子のいい関係を続けることができます。
イヤな話をしたときには、違う話をして翌日までひっぱらず、その日のうちに気持ちをチェンジすることがポイントです。